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[最愛考察]本当の犯人は? さまざまな“最愛”がひた隠す真実

恋愛・婚活コラムニストのやまとなでし子さんが、TBS金曜ドラマ『最愛』を毎週考察&展開予想するコラムです。かつて心を通わせた梨央と大輝が、殺人事件の重要参考人と刑事として再会を遂げるラブサスペンス。犯人は一体誰なのか!?

※このコラムにはドラマ『最愛』第9話までのネタバレが含まれます。

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(c)TBS

第1話で雨の中、梨央(吉高由里子)の顔に血がついた状態で警察に連行されるカットがありましたが、その真相が今回明らかになりました。

階段から転倒して怪我をした後藤(及川光博)の血であったことが分かり、後藤の容体が心配ではあるものの殺人ではないことにほっとした方も多いのではないでしょうか。

今回は母・梓(薬師丸ひろ子)の決意とボールペンの疑惑などについて考察していきます。

梓の“母として”の行動

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(c)TBS

今回、梨央が「真田ウェルネスの寄付金詐欺」「フリーライター・橘(田中みな実)の死亡」に関わっている疑惑により、報道で一気に槍玉に挙げられることとなりました。そして、このままでは社長としての責任を追及され、新薬完成を目前にしながらその夢の達成が危ぶまれるという状況にまで陥っていました。

梨央の父・達雄(光石研)が殺人の容疑を被って梨央たちを守ったように、第8話で梓が「その状況になったら地位も立場も忘れて同じことをしていただろう」と語っていましたが、今回まさにその通りの状況に……。

ここまで報道が大きくなり、後藤に罪を被せて逃げきれないと判断した梓は、報道陣の前で事実とは異なる内容の謝罪会見を行うことで全ての罪を被り、梨央と真田、そして梨央の創薬への夢を守る行動に出ました。

自分が全ての罪を被るため嘘の告白動画を残し、梨央と優(高橋文哉)を守ろうとした達雄。嘘の謝罪会見で同じように梨央たちを守ろうとした梓。状況は違えど、父母が全く同じように逮捕されることをいとわず梨央を守ることになったのは、親から子への最愛として当然の行動なのか、それとも神のいたずらなのか。

たまごサンドに詰め込まれた精一杯の母親らしさ

マスコミに疑惑が取り沙汰された時、清濁併せ飲んできた経営者として企業を守ることを第一に対処していく梓と、真っ直ぐにお客さまに向き合い誠実に対応したい梨央とで、その方向性の違いから梨央の中に梓への不信感が生まれることとなりました。

この不信感の発生源が梓と梨央とのコミュニケーションにあり、「企業としてどう収束させるか」という経営者同士としての対話に一貫してしまったことが原因なのは、きっと梓も分かっていたのでしょう。

本当は母として、不安でいっぱいの梨央の心情面のフォローもしてあげなくてはいけないのに、どうしてもグループを統括する社長としての振る舞いしかできていない自分がもどかしく「私、やっぱりお母さんには向いていないみたいね。ごめんね」という一言につながったのではないでしょうか。

それを電話で梨央に伝えながら見つめていたのは、おそらく梨央の入学式(裏側から透けている感じを見る限り)と思しき写真。一般的な母子の形とは違っていても、きちんとそこには母としての愛がありました。

梨央と会うのが最後になる日、昔梨央が好きだったたまごサンドを準備していたことも、「じゃあね」と別れ際に梨央の鼻先をつんと指で触っていったことも、母としては不器用な彼女が思いつく限りの「母親としての愛情」だったと思うと、何気ないシーンがめちゃくちゃ泣けてきます。

梨央の経営者としての決意

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警察がボールペンの件での事情聴取のために真田一族の元にやって来た時、梨央は「加瀬さん(井浦新)にも同席してもらった方がいいんじゃ?」と加瀬をいつも通り頼りにしている様子でしたが、梓が出頭した件で警察から同行を依頼された際には「一人で大丈夫」と加瀬の付き添いを断っていました。

その直前、梓も警察に出頭する際、加瀬に対し「一人で大丈夫よ」と同行を同じように断っていました。それを知らずに梨央が梓と同じ行動を取っていたというのは、梓が社長を退任することになった今、真田グループを率いていく人物として梨央が一歩成長したという証の描写だったのではないでしょうか。

ただ一つ気になるのは、以前の梓が言った「あの子(梨央)慌てると判断間違えるでしょう?」というセリフ。加瀬さんの同行を断ったのが、この判断間違いにならないといいんですが……。

ボールペンの所持者についても梓が手を加えている疑惑

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(c)TBS

渡辺父(酒向芳)の死亡現場に落ちていた、真田グループ関係者のみが持つボールペン。このボールペンの所持が事件の一つの鍵となっています。

梨央が加瀬に持っているかを聞くと、加瀬自身が入れていたと認識していた筆箱ではなく鞄の奥底から出てきました。また、警察が事情聴取に来た際には、梓があえて加瀬を同席させず、その結果ボールペン所持の有無について加瀬だけが警察から事情聴取されることを免れました。

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