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丸餅?角餅?雑煮は家庭に伝わるパワーフード!/意外!?な食の地域の違い vol.5

多種多様な文化がある日本。特に”食”に関しては顕著で、ある地域は当たり前な事が、別の地域ではびっくり!ということも。そんな食にまつわる”地域の違い”にスポットを当ててご紹介します。今回は、正月には欠かせない風物詩「雑煮」です。

多種多様な文化がある日本。特に”食”に関しては顕著で、ある地域は当たり前な事が、別の地域ではびっくり!ということも。そんな食にまつわる”地域の違い”にスポットを当ててご紹介します。今回は、正月には欠かせない風物詩「雑煮」です。

食にまつわる”地域の違い”にスポットを当ててご紹介

雑煮の餅は味が染みた丸餅? ぐいーっとよく伸びる焼き餅?

年末年始のまとまった休暇を、生まれ育った故郷で過ごすという人も多いのではないでしょうか。一年の終わりの締めくくりが「年越しそば」なら、「雑煮」は、新年を迎えた最初の朝食や、昼ご飯としてよく振舞われます。

新年に雑煮を食べる習慣は、神様にお供えした餅にはパワーが宿ると考えられていた古くからの風習によるもの。年末にお供えした餅を家族が揃う新年に食べることで、縁起が良いと考えられていたそうです。なかには、「食い上げる」という、毎日1個ずつもちの数を増やしていく習慣もあるとか。縁起が良くなりそうですが、餅だけでお腹がいっぱいになってしまいそうですね。

ところで、今あなたの頭の中に浮かんだ雑煮の餅の形は「丸餅」ですか? それとも「角餅」ですか? 主に東北・関東地方は角形、関西地方は丸餅が使われているようです。丸餅には家庭円満の意味もあるのだとか。家族そろって食べる機会が多い雑煮だからこそ、込められた意味は深いですね。

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元々雑煮の餅は丸餅が主流でしたが、江戸地域では餅を丸める手間がかかるために角餅が普及したという説もあります。丸餅は角がない分、味がしみこみやすいため煮物に、角餅は平べったい形を生かして、焼き餅として雑煮に使われているようです。四国の一部地域では餡の入った「餡餅」が入った雑煮もあるそう。出汁とあわせると、どんな味か気になりますね。

しょうゆベースの関東風? 味噌が優しい関西風?

透き通ったすまし汁の中に、お飾り用の寿なると巻きや、花の形をしたニンジン、鶏肉、そして小松菜の緑の彩りがいかにも「祝い」といった見た目の関東風雑煮。家庭料理でありながら、漆の器などに盛り付けると、ちょっと料亭風な雰囲気です。しょうゆベースのシンプルな出汁は、餅や鶏肉の具材の食感がよく味わえます。関西風雑煮よりもさっぱりとした味付けは、おせち料理の、汁物としても良く合います。

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白みその中に、飾り切りされたニンジン、身がたっぷり大き目の鶏肉、しいたけ、飾り用のゆずで盛り付けられた関西風雑煮は、主食のようなボリューム。昆布とかつお節が使われた出汁に、白みそを合わせたスープは、自然な甘みが何杯でも食べたくなります。関東風雑煮の焼いている角餅と比べ、煮ている丸餅は、柔らかく汁物に溶けやすいので子どもや、咀嚼が苦手な年長者にも食べやすそうです。

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少し変わりダネの雑煮と言えば、「博多雑煮」。アゴと呼ばれる飛び魚でとった出汁に、ブリを入れて味付けます。出世魚である「ブリ」と、“勝つ”にかけた「カツオ菜」入った縁起の良い雑煮です。

雑煮は家庭料理が主流のため、地域ごとの雑煮を食べ比べる機会が少ないですが、意外と味のバリエーションがありそうです。母や祖母から受け継いだ雑煮の味も、また地域が変わればアレンジされて引き継がれていくのかもしれません。新年に雑煮を食べる機会があれば、ぜひ出汁の味や餅の形にも注目してださいね!

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