今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
男でも女でもなく人として
今週のかに座は、より大胆に、図々しくなっていこうとするような星回り。
日本社会はまだまだ男性中心主義が闊歩している社会ですが、その原型は共学の学校社会にあるように思います。共学ではどうしても男子のほうに力があり、女はどうしてもその中で上手に立ち回ることを考えがちな訳ですが、一方でそれが女子校となると、まるで違う。
女子校で3年間を過ごした人は、特有のパーソナリティーのようなものがあり、男だから、女だからという前に、ひとりの「人」でいるという感覚が必ずどこかに潜んでいる。
あなたもまた、より力強く自分らしさを打ち出していく上でも、そうした女子高出身者に特有のパーソナリティーや感覚のようなものを改めて思い出していきたいところです。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
帰ろう帰ろう
今週のしし座は、普段なら受け流しがちな“今”に立ち戻っていこうとするような星回り。
『榠樝(かりん)の実が土打つ一度きりの音』(村上鞆彦)という句のごとし。俳句は五七五の十七音を基本としますが、掲句の場合、そのルールを破る2つの「破調」が用いられています。
作者は、定型的なリズムや通常の意味の切れ目では捉えきれない、榠樝の実が落ちた瞬間の生の“感じ”を伝えようとしている訳ですが、それは取りも直さず、いかに普段の私たちが生の現実を生きられていないかということの、裏返しでもあるのではないでしょうか。
あなたもまた、今自分がこの瞬間に生きているという実感を深められるかということに、どれだけ真剣に取り組んでいけるかが問われていくはず。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
迷子入門
今週のおとめ座は、「洋々とした匿名のさまよい人の群れに加わ」っていこうとするような星回り。
20世紀を代表する女性作家のひとりであるヴァージニア・ウルフの長編小説『灯台へ』では、迷子になることへの切望が記されています。
家から遠く離れた異国にいる際に湧いてくるような、心許なさや突如迷子になってしまったような感覚。それらは意識のゆらぎやうつろいに敏感で、言語化することに長けたウルフにとってはより身近なものであり、例えば何気なく近所を歩いているときですら、そうした感覚を感じ取っていたのではないでしょうか。
あなたもまた、そうしたウルフ的な迷子感覚につき動かされ、ただ一人でさまよい歩いていくべし。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
沈黙と臨在
今週のてんびん座は、なるべく語らずして語っていこうとするような星回り。
『露の世のもめを淋しく坐りをり』(清原枴童)という句のごとし。
単に他人事として突き放しているというより、自らもその渦中の一端にあるはずのもめごとの只中にあって自己を主張しないばかりか、「露の世」といった人生観さえも誰かに押しつけないでいられたことの得難さを、そっと指し示そうとしたものと言えるかも知れません。
あなたもまた、何かをいかに打ち出していくかということより、いかにそれを控えて、内に秘めていけるかがテーマとなっていくでしょう。