今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
世間体など知らぬ
今週のさそり座は、常識的な理解の範疇を超えた生々しさが開示されてくるような星回り。
私たちは普段、何か物がそこに“存在している”ということを本当の意味では感じていません。物はまるで舞台装置のように、私たちを取り囲み、手にとっても予定調和な抵抗があるばかりで、なんでもないような道具の役割をこなしているのです。
とはいえ、そうして大人しく人間側に都合を合わせてばかりいる訳でもないことは、例えばサルトルの『嘔吐』に出てくる例のマロニエの根っこの記述などにあたれば分かるはず。
あなたもまた、安易な先入観によって覆い隠されている「存在」のとばりの向こう側を垣間見ていくことになるかも知れません。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ものを忘れてどこまでも
今週のいて座は、バーチャルな世界でどこまでも遊び倒してしまうような星回り。
『おでん屋のあたりまで君ゐたやうな』(西村麒麟)という句のごとし。
「おでん屋」とは言っていても、すでにそこには社会のずっしりとしたリアリティみたいなものは消し飛んでいて、どこまでも「君」と僕と、この世界の行く末とが交互に語られていくようなセカイ系のアニメのワンシーンを見せられているような印象さえ受ける。この人は、そういう設定の自分でしか発見できないことを、俳句というツールを利用して探しているのかも知れません。
あなたもまた、ちょっと「記憶を失ったアバター」にでもなったつもりで過ごしてみるくらいがちょうどいいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
生きた現実を取り戻すために
今週のやぎ座は、自分が真に学ぶべきことは何だろうかと、改めて問い直していくような星回り。
日本人は、国家というものをどこかで絶対に揺るがないモノとどこかで思い込んでいる節があるけれど、中近東や中央アジアは歴史上国の境い目がたえず変動してきたし、そこに多様な民族が入り乱れてきた。
そこで暮らす人びとにとって大事なのは貯金通帳に記された数字やフォロワー数などではなく、生きる術として長く受け継がれてきた民族の伝統だったし、それこそ現代の日本人が真に学ぶべきことなのかも知れない。
あなたもまた、近代化された暮らしの中で自分たちが何を見失ってしまったのか、改めて考えてみるといいだろう。