今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
必要な遅滞
今週のかに座は、ひとつの対象が主体と切り離された対象でなくなるまで、じっくりと向きあっていこうとするような星回り。
スイスの彫刻家で、絵や版画も残したジャコメッティ。彼はモデルにポーズを取らせた状態で6時間見続け、モデルの女性がたまりかねてその理由を尋ねると、彼は「なぜならまだ見てないからさ」と答えたというエピソードがあります。
普通に聞けば冗談みたいな話なんですけど、彼は外側にあるものを消費するんじゃなくて、自分の内側にいれて自分が変化していくのを待ってるんだ、ということが分かってくる。
あなたもまた、そうしたジャコメッティ的なこだわりをもって、何かを制作するということの端緒をつかんでいきたいところです。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
いのちしみじみ
今週のしし座は、みずからに与えられた使命やドラマを深く心にしみ込ませていくような星回り。
『白湯一椀しみじみと冬来たり』(草間時彦)という句のごとし。
作者は若い頃に病気で学業を中断するなど苦労した人でしたから、30をこえてやっと働き始めてからも、とりわけ季節の変化に応じた体との付き合い方には神経を配ったはず。だからこそ、起きぬけの「白湯一椀」は、作者にとって文字通り「しみじみ」とみずからのいのちを感じる瞬間だったのでしょう。
あなたもまた、運よく拾うことのできたいのちの養い方や使い道についてよくよく思い定めていくには、ちょうどいいタイミングとなっていくように思います。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
おしくらまんじゅう
今週のおとめ座は、すすんでぎゅうぎゅうな暮らしに突き進んでいこうとするような星回り。
「推し」が活躍の度合いを増せば、「念が通じた」と感じる。その反動で人気が下がると「念が足りなかった」となり、推しという存在に生活が圧迫されて、寝ても覚めても相手から圧されているようになってくる。これではもはや「推し活」ならぬ「圧し活」である。
でもそれでもいい。というより、それがいい。ぎゅうぎゅうな感じが、ただ慌ただしく目の前の日常に追われて過ぎていくだけの生活の空虚さを埋めてくれる気がするから。
あなたもまた、相手に圧されるほどのコミットをカマしていきたいところです。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
岐路をゆく
今週のてんびん座は、「帰るところ」という発想を頭からなくしていこうとするような星回り。
『海に出て木枯らし帰るところなし』(山口誓子)という句のごとし。“仮の宿”に過ぎないものを、つい安住の地と勘違いしてしまうのが人間の悲しい性なのでしょう。
ならばいっそ、近所の見慣れた木立を抜け、岐路や境い目をいくつも越えて、その度に過去という過去を捨て去っていければ、広い海に出て波の音しか聞こえなくなった頃には、すでに「帰るところ」なんて狭苦しい発想そのものが頭から消えているかも知れません。
あなたもまた、分かれ道に突き当たったら見慣れぬ道の方へと足を進めてみるといいでしょう。