あなたもまた、まさにそうした生活史の変遷に従うべく、「憶、憶、憶…」の連続をみずからの日常において実現させていくことがテーマとなっていきそうです。
今週のふたご座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
補償と因縁
今週のふたご座は、因縁の重さをはかっていこうとするような星回り。
『暴王ネロ柘榴を食ひて死にたりと異説のあらば美しきかな』(葛原妙子)という歌のごとし。たぐいまれな暴君として恐れられたローマ皇帝ネロは、政敵にクーデターを起こされ、最期は逃亡先で自殺したとされています。
ところが、作者はこうしたネロの最期を、歌を通して「柘榴を食ひて」という異説のヴェールでつつまんとしているのです。それも、あちらは間違いでこちらが正しいのだと肩肘を張る代わりに、ただひとこと「美しい」とだけ言う。
あなたもまた、自分にちょうどいい因縁というものは何かということをひとつ考えてみるといいでしょう。
今週のかに座の運勢

illustration by ニシイズミユカ
必要な遅滞
今週のかに座は、ひとつの対象が主体と切り離された対象でなくなるまで、じっくりと向きあっていこうとするような星回り。
スイスの彫刻家で、絵や版画も残したジャコメッティ。彼はモデルにポーズを取らせた状態で6時間見続け、モデルの女性がたまりかねてその理由を尋ねると、彼は「なぜならまだ見てないからさ」と答えたというエピソードがあります。
普通に聞けば冗談みたいな話なんですけど、彼は外側にあるものを消費するんじゃなくて、自分の内側にいれて自分が変化していくのを待ってるんだ、ということが分かってくる。
あなたもまた、そうしたジャコメッティ的なこだわりをもって、何かを制作するということの端緒をつかんでいきたいところです。