今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
スイッチ・オン
今週のさそり座は、「生きた時間」を過ごすための条件を揃えていこうとするような星回り。
森の中のダニは、吸血できる哺乳動物が現れるまで20年近くも絶食したまま待ち続けるという。ただ自分が知覚できる適切な温度、匂い、触感の3セットがそろった時にオンになって吸血行動を作動させるだけであり、それが5分後だろうと18年後だろうと、ダニにとって特段差はない。
知覚の3セットがそろった時こそがダニにとって生きた時間であり、その外側にその長さだとかコスパだとかを測定する基準はありません。
あなたもまた、青白い顔をした金太郎飴のように間延びした時間をギュッと縮めてくれるような条件を、あらためて満たしていくべし。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
有為転変の中で
今週のいて座は、矛盾性を包みこむ働きをしていこうとするような星回り。
『楠の根を静にぬらすしぐれ哉』(与謝蕪村)という句のごとし。
楠の大木をさあっと音を立てて降りすぎた「時雨」が、いつしか水滴となってその根っこを静かに、少しずつぬらし続けている。それは有為転変のなかではかない身ながら永遠に達せんとする、われわれ人間の生き様そのものなのだとも言えます。
あなたもまた、たとえそれが流した涙であれ、掲句のように相矛盾するものどうしを、いかにみずからの内に定着させていけるかがテーマとなっていくでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
老いは若さを兆すもの
今週のやぎ座は、静的な背景からなまなましい思いが湧き上がってくるような星回り。
宗教学者の鎌田東二は『翁童論』の中で、かねてより子どもの中に老人が、老人の中に子どもが潜んでいることを主張してきましたが、これは「輪廻転生」に基づいた人間観に基づいた考えなのだとも言えます。
ともすると、責任と成熟を司る土星を守護星にもつやぎ座の人たちにとって、幼さや無邪気さ、おぼこさといった子供の性質は最も克服すべきものである一方で、かえって歳をとり成熟していくほどにもう一度そこへ立ち返っていくべきものでもあるはず。
あなたもまた、あらためて自分のなかに若さの兆しを見出していくことがテーマとなっていきそうです。