女性ホルモンと筋肉・骨の関係は密接で、更年期に入りエストロゲンが減少すると筋肉量と骨密度も低下し、何も対策しなければ弱くなるばかり。この連載では、年齢を重ねても自立して生活でき、転倒や寝たきりを防ぐために役立つ「貯筋トレ」を健康運動指導士の村越美加先生がレクチャーします。
いきいきと人生を謳歌するための備え、筋肉を貯める「貯筋トレ」
「年齢を重ねても自分の脚で歩きやりたいことを叶える、その要となる筋肉と丈夫な骨を40代、50代のうちから蓄えるトレーニングが『貯筋トレ』。特に衰えやすい下肢と、正しい姿勢の維持に必要な体幹の筋肉を自重で鍛えていきましょう。週2~3回のペースで継続し貯筋できると、自立した生活を送れる期間を意味する健康寿命も延ばせます」(村越美加先生)
「前脛骨筋」と「腓腹筋」を鍛え、歩行時の転倒やつまずきを防ぐ
「脛の前側にある前脛骨筋はつま先を持ち上げる動作で、ふくらはぎの腓腹筋は地面を蹴り上げるときに使われ、どちらも歩行に必要な筋肉です。正常な歩行はかかと、拇指球の順に地面に着地しつま先で蹴り上げて踏み出しますが、足裏全体を地面につけたべた足歩きの人や、そもそも普段から歩く時間が短い人は前脛骨筋と腓腹筋が衰えやすいもの。そうなると転倒やつまずきのリスクが高まるので、『椅子に座ったつま先上げ』と『椅子に座ったかかと上げ』で筋力アップを目指しましょう」(村越美加先生)
椅子に座ったつま先上げ
目的と効果:床からつま先を持ち上げる動きで、前脛骨筋を収縮させて強化する。
1.椅子に浅めに座り、背筋を伸ばす。膝の下にかかとをセットし、脚は腰幅。
photo by Mitsuaki Aoyagi
2.吐く息で両足のつま先を床から持ち上げて前脛骨筋を収縮。吸う息で戻す。10回~15回×3セット。
photo by Mitsuaki Aoyagi
効果UPのポイント:できる人は、つま先を上げた状態で「2秒キープ」して。動きを止めることで前脛骨筋をより強く収縮できる。
椅子に座ったかかと上げ
目的と効果:かかとを持ち上げる動作で腓腹筋を収縮させて鍛える。
1.椅子に浅めに座り、背筋を伸ばす。膝の下にかかとをセットし、脚は腰幅。
photo by Mitsuaki Aoyagi
2.吐く息で両足のかかとを床から持ち上げて腓腹筋を収縮。吸う息で戻す。10回~15回×3セット。
photo by Mitsuaki Aoyagi
効果UPのポイント:できる人は、かかと先を上げた状態で「2秒キープ」して。動きを止めることで腓腹筋をより強く収縮できる。
教えてくれたのは…村越美加先生
ヨガ・フィットネス・ピラティスインストラクター。フィットネス運動指導歴34年。健康運動指導士、介護予防運動指導員。大手スポーツクラブの正社員として9年勤務しチーフインストラクターとして、エアロビクス、ヨガ、ピラティス、ボディメイクトレーニングの指導のほか、インストラクター管理、インストラクターの教育&育成業務を担当。現在はフリーランスに転向し、ヨガ、ピラティス、エアロビクス、シニアエクササイズの指導のほか、インストラクターの教育や養成コースの講師、企業出張フィットネス、講演、メディアにおけるエクササイズモデル、エクササイズの監修、モデル業と幅広く活動中。
photo by Mitsuaki Aoyagi