作品にそっと添えられていることも多い、クリエイターの名刺やショップカード。イベントやお店に出かけて持ち帰ったり、手渡しでいただいたり…と、普段からたくさんのカードを受け取る編集部スタッフが、心に残った1枚をご紹介します。その人に会いたくなるような、作品を覗きたくなるような、お店に足を運びたくなるような…そんな、次の扉を開けたくなるカードがいっぱいです。
海外の風刺画のようにも見える、不思議でキュートなデザイン。コレクションの中でも、独特の存在感を放っていたこのカードについて、作り手のmakeraftさんにお話を伺いました。
makeraft
帆布や革を使ったバッグ、ケースを中心に制作されている、布物作家さん。
7年ほどのお付き合い
このショップカードは、いつ頃から使われているものですか?
makeraftさん: 2013年ごろだったと思います。ちょうどminneさんのイベントに出展することが決まったとき、作家活動をはじめて間もないわたしにはショップカードがなく、急いで制作したことをおぼえています。
テーマはレトロフューチャー
とてもおもしろいデザインですよね。懐かしいような。新しいような。
makeraftさん: すこし捻ったものがいいと思ったんです。夫に相談したところ、夫は当時まさに「レトロフューチャー(懐古趣味的な未来像)」にハマっていて、それに関する図案をさがして、つくってくれました。海外の古いイラストレーションで、著作権の問題なく使用できるものをベースにしています。
この2人はなにをしているんでしょう?
makeraftさん: おそらく「透視」です。ですが、覗き込んでいる筒の中には鏡が仕掛けられていて、テーブルの下にも筒が続き、4枚の鏡の反射で、本で仕切られているはずの向こう側の花が男の子にも見えているんだと思います。仕掛けが見えているところがおもしろいですよね。7年間見ていても、未だに「不思議な絵だなあ」なんて思います。男の子が仕掛けているのか、女の子が仕掛けているのか…見るひとによって、いろんな想像をしていただけると思います。
「手元に置いておきたい」カード
名刺交換などをされる際に、なにか言われたことはありますか?
makeraftさん: イベントでもショップカードを置くようにしていますが、「かわいいですね」「持ち帰ってもいいですか」とよく言っていただきます。お客さまがSNSにアップしてくれたこともありました。「おもしろいから取っておこう」と思ってもらえるものにしたかったので、それはすごくうれしいですね。紙質にこだわった甲斐がありました。
その時々で、いつも自由に
ブランドを伝えるうえで、大事にしたポイントはありますか?
makeraftさん: 「ブランドのこだわり」と言えるかどうかわかりませんが、作品づくり同様、手にとって「なんかこれいいかも」と思っていただければと思いますね。これが、makeraftらしさ、なのかもしれません。実は、makeraftはアイコンとなるようなロゴをつくっていないんです。そのとき、そのときで、自由に変わっていってもいいのではという想いからです。ショップカードも型にはまらず、これからも自由につくって、みなさんに「いいかも」とたのしんでいただければと思います。
こちらは、makeraftさんが2番目に制作されたカードだそう。1枚目同様、いろんな想像ができる作品に仕上がっています。
最後に、makeraftさんのものづくりを覗いてみましょう。
おすすめの2作品を選んでいただきました。
帆布と本革のスマホポーチ
形と素材にこだわったスマホポーチです。出し入れしやすいように上部はスリット式になっています。