各界で活躍する女性に、生理とのつきあい方をインタビューする連載企画。今回は、「news zero」に出演するアナウンサー岩本乃蒼さんに話を聞きました。
子宮内膜症と診断されて学んだ生理について共有する大切さ
国際女性デーに向けて製作されたスペシャル番組に、NHKの武内陶子アナウンサーらと出演。生理と更年期をテーマに、自らの体験を交えながら堂々としたトークを披露した岩本乃蒼さん。初めてテレビで生理について話したのは、2021年3月、キャスターを務める「news zero」にて、生理の貧困問題の解決に取り組む学生へのインタビューを行ったときのことだった。
「アナウンサーとして報道に携わるときは主観を入れずに事実を伝えなければいけないので、“じぶんごと”として話す経験は新鮮でした。今ではオープンに話せるようになりましたが“わざわざ人に言うことじゃない”という感覚がずっとあり、2〜3年前までは後ろめたさがありました。20代前半から年々、生理痛が悪化するなかでも、誰にも相談できずにいましたね」
仕事が忙しくなってきた20代後半頃からは痛みでベッドから起き上がれないことも。健康診断で悩みを漏らしたところ、婦人科の受診をすすめられる。
「それまで婦人科に行ったことがなく、生理痛で病院に行っていいんだ!とビックリ。子宮内膜症という診断を聞き、肩の荷が下りたような感覚がありました。治療のために2年ほど生理を止めて子宮を休ませていたのですが、体調不良はもちろん、経血の漏れや衣装の色を心配したり、生理用品を携帯したり……様々なストレスから解放されました。女性のキャリアにおける生理の影響を痛感したのと同時に、もっと早く相談すればよかったと後悔しました」
パートナーとも生理の話をしたことはなかったが、2020年に結婚が決まり、治療をやめるかどうかの判断をするためにも自ら話を切り出したそう。
「妊娠や出産に関わる生理は、二人の将来にも関わること。彼は生理の知識が一切なく、仕組みや症状から伝えると、『そんなに大変なんだ』と驚いていました。それを機に、旅行を計画するときなど、生理の周期を確認してくれるように。伝えることの大切さをあらためて感じました」
「伝えれば変わる」という学びを経て、一層オープンに話せる環境づくりを目指したいと思い、先日社内で開催された生理の勉強会にも参加したそう。
「MCは男性アナが務めるなど、社内もどんどん変わってきていると感じました。働きやすい社会の実現には、生理を含め、ライフステージで変化する女性の体に対する理解が広まることが必要不可欠。まずは身近な人の意識が変われば、より社会に響く企画を多くの人に届けられると信じています!」
岩本さんある日のスケジュール
10:00 起床、家事
12:00 昼食、身支度
15:00 出社、取材
18:00 帰社、夕食
19:00 打ち合わせ
20:30 着替え、メイク
23:00 オンエア
24:00 終業
25:00 帰宅、TVを見る
26:00 就寝
生理の日のマイルール
1. パートナーや家族と共有する
2. 安心できる生理用品を欠かさず携帯
3. ルールを作らない
「大切な人とのすれ違いを避けるために、不調は必ず共有。生理と収録が重なった日は、吸水ショーツ+スポーツ用ナプキンで万全に対策します! お酒を飲んじゃダメ!などのルールを設けてしまうと、ますます憂うつになってしまうので。体が欲するものは素直に取り入れています」
生理の日のお気に入りアイテム
ほどよい甘さで軽食としても◎! 黒豆ナツメ茶
「ナツメは女性の健康維持に効果的だと聞き、不調や疲れを感じたときに飲んでいます。煮出すと黒豆がホクホクして、食べても美味しいんです。長時間のロケの日には、水筒に入れて軽食に」
「news zero」
月~木曜23時~23時59分
金曜23時30分~24時30分
撮影/nae. 取材・原文/中西彩乃 ※BAILA2023年2・3月合併号掲載