自然を近くに感じながら生活し、海、山、森、湖などの自然が豊かな北欧の国々。北欧のライフスタイルは、日本と共通する部分を感じます。シンプルで機能的、ナチュラルで温かみを感じる北欧の家具や道具は日本の住宅とも調和します。わが家で使っているものから「北欧の名品」と思うアイテム5つをピックアップしました。
照明/ルイスポールセン「PH 5」
デンマークのプロダクトデザイナーであるポール・ヘニングセンにより1958年に発表された「PH 5」。家の新築に合わせて、ダイニングの照明は憧れていたPH 5をお迎えしました。日中ライトをつけていない時の佇まいも、デザイン性がありとても素敵なのですが、夜に灯りをつけた時に光がシェードから広がる様子も美しく、日中とは違った表情が楽しめます。シェードが層になり重なっており、光源が直接目に入らないグレアフリーデザイン。光が柔らかいのが魅力です。
食事の時はもちろん、ダイニングテーブルで書きものをする時なども、ふわっと丸い光が広がり、テーブルの上を優しく照らしてくれます。
チェア/カールハンセン&サン「CH24 Yチェア」
ずっと使い続けたい、もしかしたら子供たちに引き継ぐ事もできるかもしれない、Yチェア。
アームの半円、Yの背板は正面から見ても真横から見ても美しく、購入したばかりの時は、どの角度から見ても素敵だな、絵になるなと目にするたびにうれしくなったのを思い出します。
わが家にあるYチェアはオーク材・オイル仕上げのものが2脚。購入して6年目と4年目になります。
座面のペーパーコードは、20~30年程で緩んでくるようですが、私がYチェアを購入したお店では、座面のリペア(有料)もしてくださるそうです。お願いするとペーパーコードを張替えて、新品のような綺麗な状態で戻してもらえるとのことでした。
いつか座面が緩んできてしまっても、修理してその後もずっと使うことができる。直してもらった後はよりいっそう愛着がわきそうだなと、今からそんな日も楽しみです。
シェルフ/ストリングファニチャー「ストリングポケット」
「雑貨が好き。でも片づけや掃除がしやすいように、シンプルな部屋にしたいから飾る場所を限定しよう」。そんな思いでお迎えしたのが、ストリングポケットというスウェーデンのシェルフです。
奥行が15cmと圧迫感がないので、狭い空間にも取り入れやすいと感じます。3枚の棚板は動かせるので、置きたいものによって自由に調節ができるのも良いところ。
気分によって置くものを変えたり、季節の植物や季節飾りを置いてみたり。大きな模様替えをしなくても、部屋に変化を出せる楽しい場所になっています。
壁掛け時計/ローゼンダール「ステーション」
「毎日、何度も見るもの、長く使うものだから、本当に気に入ったものを」。新居の時計選びで意識したことです。時計は見やすさも重視したいので、文字盤がはっきりしたものを選びました。我が家LDKのインテリアは白や木の色が多めなので、時計のブラックが良い引き締め役になってくれています。
1943年に制作されたアルネ・ヤコブセンの「Wall Clock Station」。デンマークの鉄道の駅の時計にこのデザインが選ばれたそうです。当時の時計をもとに復刻されたのがこちらの「ステーション」。
電池を入れる背面には、ロゴの入ったカバーが付いています。普段は見えない部分のデザインまで素敵。
ステーションの時計には秒針がなく、カチカチの音が全くしないのもお気に入りのポイントです。
ほうき&ちりとり/イリスハントバーク「ダストパンブラシセット」
玄関掃除の相棒となった、スウェーデン・イリスハントバーク社のダストパンブラシセット。
天然素材のブナと馬毛が使われ、手作業で作られたブラシは出しっぱなしにしても良いシンプルなデザイン。むしろ出しておく方が、玄関に温かみが加わります。
外出前や子どもを見送った後などの、ちょっとしたタイミングですぐ手に取って掃き掃除ができ、細かな土埃もしっかり掃きだしてくれます。
自然の素材を使ったものや、シンプルなデザインで飽きのこない北欧の家具や道具。わが家には日本の飛騨の家具や南部鉄器など、日本の道具もたくさんあります。LDKに和室が隣接している間取りでもありますが、日本のものと北欧のものは、違和感なく同じ家の中に存在しています。北欧の家具や道具は、経年変化やお手入れも楽しみつつ、長く大切に使っていきたいものばかりです。
photo / kao
kao
北欧式整理収納プランナー・カラーセラピストなど多岐にわたり活動中。「家を心地よい空間にすることは自分への贈り物」。自分と家族にとって家がほっとできる空間であることが、私のしあわせの原点です。