今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
自分なりの官能性の探求
今週のさそり座は、答えが出ない途中段階を、手探りで進んでいこうとするような星回り。
今まさに日本社会はファシズムへと向かいつつありますが、こうした思考や行動の癖というのは、戦争の世紀であった20世紀の残滓でもある一方で、『心の深みへ「うつ社会」脱出のために』に収録された臨床心理学者の河合隼雄とノンフィクション作家の柳田邦男の対談では、じつはそうした思考の癖は性の問題とも結びついているのだという興味深い指摘がなされています。
性的な行為そのものとカップル間の深い人間関係の形成というのは別物であり、知識や技術としての「三人称の性」を超えつつも、その先にある、不可解きわまりない「二人称の性」というもののとっかかりをつかめない途中段階にあるということなのかも知れません。
あなたもまた、そうした誰も答えが言えないほどわけの分からないものを、自身のうちに改めて抱え込んでいけるかどうかが問われていくでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
我と汝
今週のいて座は、強き者としての自覚をスーッと深めていこうとするような星回り。
『鳥のうちの鷹に生れし汝かな』(橋本鶏二)という句のごとし。鷹は春頃に、山地の樹上高くや断崖に巣をつくり、子を育む。「空の王者」ともされる鷹ですが、掲句では明らかに、新たに生まれた鷹の子に自分自身を重ねています。
当然それはみずからに備わる強さということをよく知っているから可能なことで、ここで作者は新たに生まれた強き者の運命と向きあいつつ、自身の強さやパワーを果たしてどのような形で使い尽くすべきかを十分な熟慮をへて、心に決めていこうとしている訳です。
あなたもまた、自身の力の使い道や留意点について、改めて自問自答を重ねていくべし。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
全身全霊へ
今週のやぎ座は、自己の根本としての「丹田」の充実に立ち返っていこうとするような星回り。
近世における禅の復興者であった白隠(はくいん)の中で、最も多くの人々に読み継がれてきたのは何と言っても『夜船閑話(やせんかんわ)』でしょう。
この書物で説かれていたのが、白隠が若いころに座禅に行き詰まり、心身に決定的な変調をきたした際に、それを治癒・克服する術として京都白川の洞窟に住む白幽という仙人から教わった内観法についてなのですが、それは道教と仏教を織り交ぜた養生法であり健康術でした。
あなたもまた、改めて高い目標の達成や大それた自己実現などよりも、改めて心身の健全化に取り組んでいくべし。