isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2025年下半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ふわっと浮かす
今週のおひつじ座は、下へ下へと潜っていきながら、一転して上空の涼風を自身へ呼び込んでいこうとするような星回り。
『下下も下下下下の下国の涼しさよ』(小林一茶)という句のごとし。
作者は言わば、何かと身分の上下をつけ、勝ち負けにこだわりたがる世間一般の“物差し”を逆手にとって、「こんな辺境だからこそある涼しさ」を突きつけることで、冒頭の長い“格下認定”の羅列もまた前フリへと転じ、最後に言葉の涼風を呼び込むことで、読む者の肩の力がふっと抜ける工夫を施しているのです。
あなたもまた、社会的ヒエラルキーを無効化するような遊び心を大切に、日々の暮らしの中で風を吹かせてみるといいでしょう。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
魔との間をとる
今週のおうし座は、複雑怪奇なもどかしさが渦巻く中で、それでも挫けず生き延びていこうとするような星回り。
小島信夫の『アメリカン・スクール』という短編集のなかに、「鬼」という小説がある。
この短編では、知り合いのHという画家の男の誘いで、まるで冥界を思わせる土地へ妻子と共に引っ越してきた「私」が、その不便極まりない土地や村人やHから受ける不当な扱い、何かと不覚をとってしまう自分自身に腹を立て、恨みをつのらせていく様子が、ひどく奇妙な一人称語りでつらつらと書き進められていく。
あなたもまた、ふとしたタイミングや、ひょんなところで、命拾いをしていくことになるかも知れません。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
これでも喰らえ!
今週のふたご座は、みずからの生きた痕跡を改めて物として世界に留めていこうとするような星回り。
『生涯は文字を書くこと秋の蟬』(田中裕明)という句のごとし。この句の中で、秋の蝉はもう遠くまで鳴き続ける力を失い、声はすでに途切れ途切れとなっている。それでも、声が聞こえてきたその一瞬は、ページに置かれた文字のように、確かにそこに「ある」。
人生は、声のように消えゆく時間を、思いを、紙の上の黒い粒として残そうとする営みに他ならず、その営みを続けるうちに、季節は秋に傾き、声も文字も、やがて風にさらわれる。それでも書く。書くことだけが、生涯を物として世界にとどめる唯一の術だから。
あなたもまた、そうした人生を時間の流れとしてではなく、紙面に積もる文字の集積として捉える視点に立ち返ってみるといいでしょう。