今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
小さな支流をつくっていく
今週のさそり座は、俗世とは別の時間に入り込んでいこうとするような星回り。
『草笛の鳴るまで父を見上げゐる』(大串章)という句のごとし。おそらく、作者にとって「草笛」は郷愁のシンボルなのでしょう。掲句では、そこにさらに親子の情が重なっていきます。
うまくいかなさを受け止めつつ、じっと草笛が鳴る瞬間を待っている時間とその描写こそが、読む者の胸を打つのであり、その時間の分だけ、作者は少年のころの自分に戻っていったはず。
あなたもまた、そうした自分にとっての憩いの場所に立ち返ってみるといいでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ディスコミュニケーションを許容する
今週のいて座は、ふだん饒舌な舌をそっと引っ込めていくような星回り。
「恋と哀れは種ひとつ」。これは江戸時代を代表する劇作家・近松門左衛門の言葉ですが、最近は恋焦がれる思いが続いて詩や作品をつくってみるなんてことは流行らなくて、マッチングアプリで早々に次の恋に踏み出す人がほとんどでしょう。
近松の時代であれば、「確実にしあわせにできるかどうか、なるかどうかは定かではないけれど、心からそうなることを乞い願う」というのが恋でした。
今週のいて座もまた、いかに何も打つ手がなく、おろおろするしかないというところに留まっていられるかということを、もう少し大切にしてみるといいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
まだ死ねない身であるがゆえに
今週のやぎ座は、みずからの人生に句読点を打っていこうとするような星回り。
『老兵が草笛捨てて歩き出す』(竹岡一郎)という句のごとし。
物語の始まりなのか、終わりなのか、そのどちらでもあるような一句。ここでは「草笛」が老兵の人生に句読点をもたらし、さらなる展開をうながしたのであり、私たちには時おりこうした“句読点”が必要なのだと言えます。
あなたもまた、中途半端なまま宙づりになっていた思いを、きちんと腑に落としていくことで、自分自身にさらなる展開をもたらしていきたいところです。