少しずつコロナ前の生活に戻りつつあるものの、どうやって人間関係を築けばいいのか悩んでいたり、急に増えた人づきあいに疲れているかたも多いのでは。そこで、印象をよくするコツや会話をスムーズにするポイントを紹介します。
相手に与える印象をアップさせるコツ
人は外見ではなく中身が大切と言いつつ、相手のことをよく知らない段階で印象を大きく左右するのは外見です。話しかた講座の講師を務める渡辺由佳さんと心療内科医の吉田たかよしさんに、印象をアップさせるコツを教えてもらいました。
服装
個性アピールは、友達になればいつでもできる。まずはTPOをわきまえた明るい色のファッションで、話しかけやすい人、楽しそうな人という印象を目指そう。
ファッションの選択ミスが敵を生むかもしれない!?
初対面の人がいる場に着ていく服は、白やベージュなどきちんとした印象を与えるものがベター。カジュアルなシーンなら、黄色やオレンジなど明るく溌剌とした印象のカラーもおすすめ。要注意なのは、心理学的に敵を作る可能性があるとされている極端にフェミニンな服。そういった服を着た女性を見ると、男性の脳内では無意識によからぬ欲求が生じてしまうので、理性でその欲求を封じなくてはならない。そんな我慢を強いる相手に対して、嫌悪感を抱いてしまうというのだ。服装選びは、やはりTPOをわきまえたい。
ヘア&メイク
髪は、清潔感に直結するパーツ。ボサボサしているとだらしない人と思われがちなので気をつけて。
前髪を左分けにしたらスーパーマンのできあがり!
左分けの前髪が好印象、という事実を効果的に取り入れているのが、1978年の映画『スーパーマン』。冴えない新聞記者クラーク・ケントは、事件が起こると電話ボックスに入って、マッチョで強いスーパーマンに変身する。劇中、クラーク・ケントは前髪を右分けにしているが、電話ボックスから出てきたスーパーマンは左分け。吉田さんによると、ほかにも左分けのヒーローが登場するハリウッド映画はたくさんあるそう。作り手側は経験的に左分けが好印象を与えることを知っていて、演出に活かしているのだという。
※ 『anan』2021年10月6日号より。イラスト・サヲリブラウン 取材、文・風間裕美子(by anan編集部)
※ 2021年9月29日配信
良い人間関係を築く3つのSTEP
こちらも話しかた講座の講師を務める渡辺由佳さんと心療内科医の吉田たかよしさんに、良い人間関係を築く「3つのSTEP」を教えてもらいました。
良好な関係を築くまでの3つのSTEP
(1)自分に対して危害を加える人間かどうか「適応的無意識」で判断
(2)協力関係を結べるかどうか
(3)相手との協力関係が自分に利益をもたらすかどうか
キーワード(1)適応的無意識
アメリカの心理学者ティモシー・ウィルソンが提唱した考え方。わかりやすく言うと、“人間は進化の過程で、重視すべき情報を無意識のうちに選択している”ということ。
人間の脳には常に、視覚、聴覚、嗅覚などから無数の情報が入ってくる。それを全て分析していると命の危機が迫ったとき手遅れになるので、反射的に是か非かを判断しているという。初対面の人に会ったときも同じこと。無意識に、瞬間的にその人が敵か味方かをジャッジし、敵と判断したら“なんかあの人苦手”のレッテルを貼ってしまうという。
キーワード(2)メラビアンの法則
“第一印象は見た目が大切”という話をするとき引き合いに出される考え方。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンが行った実験の結果を応用したものといえる。
メラビアンが行った実験は、見た目、話し方、話している内容がちぐはぐだったとき、人はどの情報を重視するのか探ったもの。たとえば怒った顔と普通な話し声で「君は素晴らしい人だ」と言われたとき、人はどんな印象を受けるのか。結果、最も重視されたのは見た目の情報。ただし、話し方や言葉はどうでもいい、という意味ではないので注意して。
吉田たかよしさん 心療内科医、医学博士、本郷赤門前クリニック院長。アナウンサーや政治家秘書などを経てクリニックを開設。受験生の脳機能やメンタルの管理、勉強法指導を行う。TVやラジオへの出演も。
渡辺由佳さん コミュニケーションインストラクター、元アナウンサー、大妻女子大学非常勤講師。自分磨きスクール「シェリロゼ」講師。著書に『どんなに緊張してもうまく話せる!』(日本実業出版社)など。
※ 『anan』2021年10月6日号より。イラスト・サヲリブラウン 取材、文・風間裕美子(by anan編集部)
※ 2021年9月29日配信
つい使ってしまいがちなNGフレーズの言い換え術
意味は同じでも、言葉選びひとつで相手に与える印象は大きく変わります。企業でカウンセリングや研修に携わる、メンタルアップマネージャの大野萌子さんに好印象を持たれる言い換えのコツを教えてもらいました。