今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
隠れた豊かさを探していく
今週のさそり座は、暗い予感と背中合わせにある豊かさに目を向けていこうとするような星回り。
『白壁の穴より薔薇の国を覗く』(渡邊白泉)という句のごとし。
「戦争が」という出だしから始まる後者の句には、ハッとさせられるものがあります。そうして、戦争の時代に人間のもっとも醜悪な部分に直面して、その衝撃を「立つてゐた」という口語表現にこめたのと同じ人物が、一方でまだ平和だった時代には平凡でささやかな日常のただ中にある非日常的な美の世界を詠んでいた。じつに、もの悲しい話です。
あなたもまた、長い目で見たときに光と闇とを分かつような岐路に立っていくはず。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
真面目さを手放す
今週のいて座は、どうにかして資本主義的なリアリズムを相対化していこうとするような星回り。
思想史家の関曠野は2016年に刊行された『なぜヨーロッパで資本主義が生まれたか:西洋と日本の歴史を問いなおす』の中で、「資本主義に普遍的世界史な必然性などないのだ」と断じています。
そして、果てしない経済成長を求める資本主義から脱却できないのは、それが「宗教のかたちをした神経症」だからであり、「資本主義は貧困とか搾取ということよりも精神病理で人間を不幸にする」のだという重要な指摘もしているのです。
あなたもまた、まずは自分が「宗教のかたちをした神経症」にかかっていることを認めるところからスタートしていくべし。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
解決できない問題への固執
今週のやぎ座は、現実に対する違和感や主義主張を大胆にも表明していこうとするような星回り。
『夕立や樹下石上の小役人』(小林一茶)という句のごとし。
掲句は事実ありのままを描いたものではなく、「石上」と対応させて「小役人」を諷刺した、というよりからかってみせた一句なのでしょう。世俗的な現実への皮肉と、もの悲しさの実感とを両立させていくことこそが作者なりの思想信条だったのではないでしょうか。
あなたもまた、改めて自分が大事にしている哲学や問いを再確認していくことがテーマとなっていきそうです。