セックスレスが、自分の中の強さや弱さに気づかせてくれる
自分に自信が持てずネガティブに悩んでいたみちと、自立心に溢れた自信家の楓の立場が逆転。「それまで震えていたみちがはっきりと意見する場面は、まさにみちの成長を見てとれるシーン。仕事なら完璧にできるのに、夫婦関係を円満にできない楓の苦しさにも共感」(W)
W:作品を描き進めるうちに、先生の中でのセックスレスの捉え方に変化はありましたか?
ハルノ:はい。初めは問題を解消して乗り越えられるというストーリー展開を思い描いていたのですが、登場人物の心情を掘り下げるほどに「そんな簡単な問題ではないぞ」と思うようになりました。「一方はしたいけど一方はしたくない」というだけの話ではないんですよね。
W:みちと誠の関係がなかなか一線を越えないのにも、その複雑さが見える気がします。
ハルノ:キャラクターがそれぞれ葛藤しているから、簡単に展開しないんですよね。登場人物をストーリーにのせるのではなく、登場人物がストーリーを動かしていくから、私から見ても一筋縄にはいきませんでした。
E:漫画もドラマもいよいよクライマックスに迫ってきましたが、この後の展開はどうなっていくのでしょうか?
ハルノ:結末はまだお話しできませんが、漫画ではみちと陽一が別々の道を歩き出しました。誠と楓も自分たちの答えに気づき始めたところなので、ここからまた大きく話が展開するかも。みち・陽一・誠・楓、4人の気持ちがどう動いていくのか、楽しみにしていてください。
苦境に立ちながらも、前を向いて進もうとする主人公・みちと、彼女の誠意に動かされる陽一、誠の心と行動の変化からも目が離せない。これからの展開にも期待が高まる。
(C)ハルノ晴/双葉社
構成/MAQUIA ONLINE