毎年6月に届く「住民税決定通知書」。会社員であれば勤務先から配布、自営業者であれば自治体から自宅まで郵送され、その名の通り、前年の所得をもとに算出した住民税の金額を通知する書類です。昨年、ふるさと納税を利用した人は、この書類で住民税が控除されているか確認することができます。
「住民税決定通知書」でふるさと納税の適用を確認する方法は?
ふるさと納税を利用した分だけ控除されているのか、住民税決定通知書をチェックしましょう。
ワンストップ特例による申請をした場合
会社員の人であれば、確定申告をせずにふるさと納税を利用できる「ワンストップ特例制度」を利用した人が多いでしょう。その場合、「摘要」と書かれている欄をチェックすると「税額控除額」が記載されています。この金額が、ふるさと納税を利用した合計金額からふるさと納税の自己負担額である2,000円を差し引いた額になっていれば、正しく控除が行われているということになります。
ただし、住宅ローン控除など、ふるさと納税以外にも控除を受けている場合はこの限りではありません。また、前年の合計所得額が2,500万円を超える場合、調整控除は適用されません。
確定申告をした場合
個人事業主の人や副業を行っている人など、確定申告をした人は、住民税決定通知書に加え、確定申告書を見ることで控除額を確認できます。住民税の控除と所得税の還付が行われ、所得税からの控除額はふるさと納税を利用した合計金額からふるさと納税の自己負担額である2,000円を差し引いた額に、所得税の税率と復興特別所得税を掛けた金額が控除額となります。所得税の税率は以下の通り、復興特別所得税は2.1%です。
所得税の控除額の計算式
(ふるさと納税の総額-自己負担額2,000円)×所得税の税率(5~40%※所得税の控除額上限)×1.021
課税される所得金額に対する税率
1,000円から194万9,000円まで 5%
195万円から329万9,000円まで 10%
330万円から694万9,000円まで 20%
695万円から899万9,000円まで 23%
900万円から1,799万9,000円まで 33%
1,800万円から3,999万9,000円まで 40%
4,000万円以上 45%
住民税決定通知書をチェックして、ワンストップ申請を忘れていたことに気づくケースもあるでしょう。その場合は、確定申告を行うことで控除を受けることができます。ふるさと納税を行った翌年の1月1日から5年以内に確定申告を行えば良いため、忘れずに手続きをするようにしましょう。
※本記事の掲載内容は執筆時点の情報に基づき作成されています。公開後に制度・内容が変更される場合がありますので、それぞれのホームページなどで最新情報の確認をお願いします。