老後の準備は、教育費や住宅費に比べて後回しになりがち。70歳、80歳になった時に「お金がたりない!」とならないように、今からできる老後のお金の貯め方をご紹介します。
老後のお金、いくら貯めればいいの?
老後のために貯めておきたいお金は、次の計算式で求めます。
老後のお金=(老後の生活費-年金額)×老後の年数
2019年に話題になった「老後2000万円問題」が記憶にあり、「2000万円貯めなくては」と思っている人もいるかもしれませんが、実際には老後の生活費も年金額も家庭それぞれなので、準備すべきお金も家庭により変わります。ただ、少子高齢化が進む日本では、年金だけで老後の生活を賄うのは今後ますます難しくなると予想されるので、なんらかの準備は必要でしょう。
老後のお金、どう貯める?
銀行の預貯金ではほとんど利息が付かない上に、物価も上昇していて、10年20年先のお金を準備するには預貯金だけでは不安な時代です。そこで、老後のお金は専用の制度を利用して「自分年金」を作ってみてはいかがでしょうか。
今回は、自分年金を作るための制度の中でも、税制優遇が大きい「iDeCo」についてご紹介します。
老後のお金を準備すると税金が戻ってくる?!iDeCoのメリット・デメリット
iDeCoは、自分で掛金を積立て・運用する、老後のお金を準備するための制度です。iDeCoを始める前にメリット・デメリットを知っておきましょう。
メリット1 年末調整で税金が戻ってくる
iDeCoは、年末調整や確定申告をすると、積立てた分の所得税・住民税が軽減され税金が戻ってきます。
例えば毎月1万円(年12万円)積立てた場合、節税額は下記のようになります。
年収300万円の会社員なら、年間18,000円
年収700万円の会社員なら、年間36,000円
一般的には、年収が高い人・掛金が多い人ほど節税額は大きくなります。
※専業主婦など税金負担がない人は、この税制優遇は使えません。
※iDeCoは受取時にも所得控除があります。
メリット2 運用益が非課税
通常の預貯金の利息や投資商品の利益には約20%の税金が掛かりますが、iDeCoなら非課税です。利益の全額が再投資されて複利運用されるので、効率よくお金を増やすことができます。
メリット3 月5,000円から始められる
iDeCoは、月5,000円の少額から始められます。働き方によって上限額は異なりますが、1,000円単位で掛金の変更もできます。
メリット4 60歳まで引き出せない
原則iDeCoは、途中解約と60歳までの引出しができません。「それってデメリットじゃないの?」と思われるかもしれませんが、途中で引出しできないからこそ確実にお金を貯めることができます。どうしても掛金が払えなくなった場合は、積み立てをストップすることもできます。
メリット5 商品を自分で選べる
iDeCoは、投資信託の他、定期預金や保険商品など元本保証がある商品からも自分で選び、積み立てることができます。
iDeCoの注意点
iDeCoのメリットをご紹介しましたが、デメリットがないわけではありません。iDeCoでは、加入時や積立時・受取時などに手数料が発生します。手数料は金融機関により違うので、手数料の安い金融機関を選びましょう。また、iDeCoでは定期預金等の取扱いもありますが、投資信託で運用する場合は価格変動のリスクがあります。
さいごに
iDeCoは証券会社や銀行などで取り扱っています。ネットで申込みできる金融機関もあるので、忙しい人でも手続きが始めやすいですね。
お金を貯めるには、スタートが早いほど時間が味方になり、少額の積立でも目標額に達しやすくなります。
高齢になると、働き口を探すのは簡単ではありません。「お金が足りない」と心配しながら暮らす老後にはならないために、早めに準備に取り掛かりましょう。