精神科で外来を行い、6万人以上インスタやvoicyのフォロワーに対してHSP気質に関する発信、書籍刊行など幅広い分野で活動する精神科医しょうさんが、HSPやメンタルヘルスに関する身近なギモンを解説。生きづらいをラクにするためのヒントを連載形式で紹介します。
こんにちは!精神科医しょうです。いきなりですが、あなたは自分の事を心配性だと感じますか?そして、もし心当たりがありそんな自分に悩んでいるならば、あるたった1つの事をしてほしいんです。きっと、心の余裕につながるでしょう。
1 そんな心配性な人がするべき1つの事
それは、生産的な心配と非生産的な心配を分けるということです。
「生産的な心配」の例
出張で新幹線を使う予定がある→そのために念のためいつもより早く起床したり、スケジュールに余裕を持たせる。【対処が可能】
「非生産的な心配」の例
海外旅行に行こうと計画する、しかし飛行機が墜落したらどうしようと考え、海外旅行をためらってしまう。→飛行機が墜落するのを、自分の力で防ぐことはできない【対処ができない】
このように「生産的な心配」と「非生産的な心配」の大きな違いは対処できるかどうかだといえます。でも実際、分けろと言われてもなかなか難しいですよね。もう少し詳しく見ていきましょう。
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2 現在の心配事が「生産的」か「非生産的」を振り分けるには
今の心配ごとが生産的か非生産的かを振り分けるには、次のような流れで考えてみましょう。例えば、今のあなたの心配事が「仕事でのプレゼンテーションがうまくいかないかもしれない」というモノだった場合
①「この心配事が現実化する可能性は、非常に低いのではないか?」
→ 全く無いとは言えないが、確かに低いと言えるだろう。
②「私はどんなことを予測しているのか?」
→ プレゼンテーションでミスをして、聴衆に伝えたいことがうまく伝わらないかもしれない。そして、評価が下がってしまうかもしれない。
③「私が実際にできる行動は何か?」
→ プレゼンテーションの内容をしっかり準備し練習を積む。例えば、自分の声トーンを意識したり表現を工夫して、説得力を持たせる。
④「それらの行動は合理的か?」
→ 合理的と言えるだろう。
⑤「私は、自分にはどうにもできないことを心配しているのではないか?」
→ 確かにやるべき事をやっても、聴衆の反応までは完全にはコントロールできない。
⑥「これは生産的な心配か?それとも非生産的な心配か?」
→ 基本的には生産的な心配だが、一部非生産的な心配とも言える。
⑦「これが生産的(非生産的)な心配である理由は?」
→ プレゼンテーションの準備や練習は自己管理とスキル向上に繋がるため、生産的な心配と言えるから。ただし、聴衆の反応や評価は完全にはコントロールできないので、そこから先は非生産的な心配。
どうでしょうか?少し振り分けやすくなりましたよね。ぜひ今のあなたの心配事もこの①~⑦の流れに当てはめて、振り分けてみてください。それだけで漠然とした不安がかなり解消されて、気持ちに余裕が生まれるはずです。
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まとめ
心配性な性格は、決して悪いことではありません。しかし過度な心配には注意が必要です。
「どうしても心配事が減らない..心配でどんどん不安が増えていく…」
その時には、今回お伝えした「生産的な心配」と「非生産的な心配」に振り分けるといった作業を行ってみてください。気持ちが楽になるはずですよ。