東京には優れた美術品や貴重な資料を有する美術館・博物館が集まっていて、歴史や文化、自然科学やアートを気軽に楽しむことができます。今回は、一生に一度は足を運んでほしい定番スポットを中心にピックアップ。それぞれの施設の概要と見どころ、コレクションの特徴などをご紹介します。
【上野】刀剣など日本と東洋の美術作品や建物を堪能/東京国立博物館
「東京国立博物館」は、明治5(1872)年に開館した日本で最も長い歴史を持つ博物館。本館、表慶館、東洋館、平成館、法隆寺宝物館、黒田記念館、資料館から成る、日本最大級の博物館でもあります。
日本と東洋の美術作品と考古遺物を約12万件所蔵。そのうち国宝が89件、重要文化財が649件(2023年4月現在)と、質・量ともに日本一のコレクションを誇ります。
「本館」では仏教美術や刀剣などの日本美術を展示。「東洋館」ではインドの仏像や中国の工芸品などを見ることができます。「平成館」には土偶や埴輪など、「法隆寺宝物館」には飛鳥時代を中心とする仏教宝物が展示されています。表慶館や黒門といった重要文化財の建築物も見どころです。
展示は、常時約3,000件の作品を展示する総合文化展と、年に3~5回程度行われる特別展の2種類。総合文化展は、年間約300回にも及ぶ展示替えが行われており、いつ訪れても楽しめます。一日ですべてをまわるのは難しいので、事前に目的を絞っておくのがオススメです。
所在地
東京都台東区上野公園 13-9
最寄駅
上野
備考
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
【上野】恐竜の全身骨格など贅沢な内容を常設展示で楽しめる/国立科学博物館
▲写真提供:国立科学博物館
明治10(1877)年設立の「国立科学博物館」は、日本最大級の総合科学博物館。
自然史と科学技術史に関する、500万点を超えるコレクションを誇ります。厳選された約25,000点から成る常設展示は必見。じっくり見るには一日では足りないほど広く深い展示内容を一般・大学生630円で楽しめます。
自然史の分野では、ティラノサウルスやフタバスズキリュウの全身骨格、アンモナイトの化石などを展示。忠犬ハチ公や南極観測犬ジロのはく製もあります。
科学技術史の分野では、江戸時代の天球儀をはじめ、和時計の最高傑作とされる万年時計、日本が打ち上げてきた人工衛星やロケットなどを見ることができます。
上から見ると飛行機の形をしている「日本館」は国の重要文化財で、壁や天井の繊細な装飾やステンドグラスの傑作を眺められるのも魅力。
ミュージアムショップでは、国立科学博物館オリジナルグッズをはじめ、本物の化石や鉱物、実験器具、工作キットなどを買うことができるので、帰りがけにぜひ覗いてみて。
所在地
東京都台東区 上野公園7-20
最寄駅
上野
備考
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
【上野】2022年4月にリニューアルオープン!常設展はモネ、ルノワールなど名作ぞろい/国立西洋美術館
▲©国立西洋美術館 ※転載不可
「国立西洋美術館」は、西洋の美術作品を専門とする美術館。実業家の松方幸次郎が収集した「松方コレクション」を基礎に、西洋美術に関する作品を広く展示するため、昭和34(1959)年に作られました。
本館は近代建築の巨匠として名高いル・コルビュジエによる設計で、世界文化遺産に登録されています。およそ1年半の全館休館を経て、2022年4月にリニューアルオープンをしました。
印象派など中世から20世紀にかけての西洋絵画 ・彫刻を中心に、6,000点以上の作品を所蔵。モネの『睡蓮』を筆頭に、ルノワール、ミロ、ピカソ、ゴッホらの有名作品が多数あり、それらを常設展で鑑賞できるのが魅力です。ここまで常設展示の内容が豪華な美術館は国内では他にないでしょう。
同館を訪れたときは、館内だけでなく前庭も忘れずに立ち寄って。リニューアルにより本館開館当時の開放的な姿に近づいた空間に、オーギュスト・ロダンの『考える人(拡大作)』や『地獄の門』などがありますよ。
所在地
東京都台東区 上野公園 7-7
最寄駅
上野
備考
電話番号:050-5541-8600(ハローダイヤル)
【上野】多彩なジャンルの展覧会や公募展を開催/上野の森美術館
▲写真提供:上野の森美術館
「上野の森美術館」は、上野公園にある唯一の私立美術館。常設展示は行わず、現代アートの優秀な若手作家を紹介する「VOCA展」、画壇への登竜門として定評のある「上野の森美術館大賞展」などの公募展を毎年行っています。
浮世絵展、マンガ展、書道展など多彩なジャンルの展覧会、海外の美術館の所蔵品を借り受けて行う「フェルメール展」や「ゴッホ展」のような特別展など、定期的に開催される企画展も人気です。
美術館オリジナルグッズは、すぐそばにある西郷隆盛像をモチーフとしたポストカードや一筆箋。イラストレーター古谷充子氏が手掛ける、ほのぼのとしたタッチの西郷さんと愛犬ツンのイラストが人気です。展覧会によってはグッズの販売場所が異なるのでご注意を。
所在地
東京都台東区 上野公園1-2
最寄駅
上野
電話番号
03-3833-4191
【上野】誰もが気軽に来館できる“アートへの入口”/東京都美術館
大正15(1926)年に日本初の公立美術館として開館した「東京都美術館」は、芸術家の発表の場として発展。“アートへの入口”として、展覧会だけでなくワークショップなどの多彩なプログラムを実施し、誰もが気軽に来館できることを目指しています。
常設展はありませんが、国内外の名品を鑑賞できる特別展を年に3~4回開催するほか、多彩な企画展や美術団体による公募展などを行っています。ムンク展やクリムト展で多くの人を集めたのは記憶に新しいでしょう。
入館は無料で、館内のレストランやカフェ、ミュージアムショップなどは自由に利用可能。モダニズム建築の巨匠・前川國男の建築も見どころの一つで、「建築ツアー」も実施しています。
所在地
東京都台東区 上野公園8-36
最寄駅
上野
電話番号
03-3823-6921