揚げたさつまいもに甘~い蜜をからめた大学芋は、老若男女を問わず人気のお菓子。元々は家で食べるおやつ的な存在でしたが、最近は専門店ができるほどの人気を誇り、密かなブーム到来!
そんな大学芋には、たっぷりの蜜がかかったしっとりタイプと、飴でコーティングしたカリっとタイプがあり、しっとり派とカリっと派、ふたつの派閥が存在するのをご存じでしょうか。
かくいう私はカリっと派。この世に生を受けてウン十年、あのカリっとした食感に魅せられ、長いことカリっと派を貫き通してきたのですが、実は先日、しっとりのすばらしさを教えてくれた大学芋があり、これがもうどうしようもなく美味しい!思わず、カリっと派から寝返ろうとし……いや、寝返ったほど美味しい!
そんな大学芋の正体がこちらです。
この包みを見て「おっ!」と思った方もいらっしゃることでしょう。そうですそうです、こちらは大阪阿倍野に本店を構える創業70年超の老舗芋菓子匠、嶋屋さんの名物「あべのポテト」。関西では超がつくほど有名なお店で、行列必須&東京からわざわざこれだけを買いに行く方もいらっしゃるほど人気のポテトです。
もちろん、店頭で購入することもできますが、お取り寄せなら行列不要。ポチっと押したら待・つ・だ・け!
さすればパックにぎゅうぎゅうに詰まったあべのポテトが冷凍便でやってきます。解凍は常温に置くだけ。
1時間ほど置けば、黄金に輝くポテトがほらここに!
さつまいもよりさつまいもらしいさつまいも
解凍後はそのままいただけるので、まずはひとつパクっと。さすれば、ふっくらしっとり。揚げてあるはずなのに油っこさは微塵もなく、蜜が染みているはずなのに蜜らしい甘さがなく、ただたださつまいもが美味しいという不思議な食感に見舞われます。
あべのポテトは、確かにれっきとした大学芋なのですが、私たちが知る大学芋よりさつまいも感が強く、ひたすらにさつまいもらしさを感じさせてくれるタイプ。なんなら、さつまいもよりさつまいもらしさを感じるさつまいも。
ちょっと何を言ってるか分からないかもしれませんが、あべのポテトの美味しさは、さつまいもよりもさつまいもらしい風味に溢れていること。
そしてその美味しさは、口に運ぶごとに強くなり、食べれば食べるほどさつまいもの風味を強く感じます。もうめっちゃ!美味しい!!!
よりホクホク感を感じたい方は軽くレンチンすればホっクホクに。
甘党の方はあとがけ用の蜜をかけても絶品。
“さつまいもらしさ”を作る3つの原材料
あべのポテトに使われている材料は、さつまいも・氷糖蜜・綿実油の3つだけ。たったそれだけですが、そのひとつひとつがあべのポテトを支える柱です。
まず、さつまいもは南国の太陽をいっぱいに浴びて育った嶋屋農園産。程よい糖分とホクホク感を持ったさつまいもです。
そのさつまいもを普通より大ぶりにカットしますが、それは大ぶりにカットすることで加熱に時間がかかる=じっくり揚げることでホクホクの食感に仕上がるため。確かにあべのポテトはしっとりながらもホっクホク!さつまいもが芯から甘いです。
さらに、揚げる時に使う油は、風味にすぐれ、食用油の王様とも言われる綿実油。油自体の主張がなく、あくまで素材の味を生かし、からっと揚げてくれる油です。確かにあべのポテトは油っこさがなく、さつまいもらしさが全面に出ています。
揚げたさつまいもをひたす蜜にも秘密があり、通常、蜜には水飴を使うことが多いのですが、嶋屋さんで使っているのは氷砂糖。水飴よりもあっさり仕上がり、甘さもすっきり。なので食べても食べても飽きることがなく、確かにあべのポテトはいくらでも食べれてしまいます。
綿実油も氷砂糖もあくまでさつまいもの美味しさを生かすために用意されたもの。しかしそれも納得の美味しさ&さつまいもらしさです!
この秋はさつまいもよりもさつまいもらしいさつまいもを、幸せの味を堪能してみてはいかがでしょうか。