今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
いのちを革める
今週のさそり座は、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴと地中奥深くでうなりをあげていくような星回り。
詩人・牟礼慶子の「見えない季節」という詩に、「土のなかのくらさ」という大変印象的なフレーズが出てきます。
自然だけでなく人間存在の昏さがはらんでいる未来にも、そっと手を添えてくれるような牟礼の詩行に触れていると、改めて地下世界にひしめいている予兆にスッと目が開かれていくようです。
あなたもまた、自身のなかで来るべき豊かさを準備しつつある「土のなかの暗さ」を改めて実感していくべし。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
家々の灯り
今週のいて座は、ここのところ憑りつかれていた強迫観念から脱していこうとするような星回り。
『山よりもしづかに冬の家灯る』(井越芳子)という句のごとし。
今の日本人を支配している価値観は、とにかく「経済成長」ですが、掲句に詠まれたような「冬の家」の灯りを眺めていると、経済成長などなくても人生/生活は豊かになるのだとおのずと思えてくるはず。
あなたもまた、これまでの自分だったら見過ごしていたであろう、些細でちっぽけなしあわせにこそ最上の価値を見出していくべし。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
小さく縮こまってやしませんか
今週のやぎ座は、自身と関わりのあるコミュニティのホラー性に気が付いていくような星回り。
ポール・トーマス・アンダーソン監督の映画『ブギー・ナイツ』(1997)は、70年代末のアメリカ西海岸を舞台に、斜陽産業化しつつあったポルノ映画業界の内幕を描いた作品です。
この映画は見ている側に人生の苦みとしか言えない感覚をもたらすのですが、それをホラーの領域にまで引き上げているのが、登場人物の誰もが自分たちのセンスがもはや内輪でしか通用しない常識はずれなものであることにいま一つ気付いていない点であり、精神が奇形化した人間の微妙なおそろしさがここに立ち上がってくるのです。
あなたもまた、密閉され濃密になった疑似家族関係=小宇宙に取り込まれないよう気を付けていくべし。