食べて眺めて幸せな気分になれるクッキー缶。ここ数年ブームが続いてすっかりギフトの定番になりましたが、だからこそセンスを感じられるとっておきを選びたいですね。
美味しさだけではなく、見た目やシェアしたくなる焼菓子をご紹介するこの連載。第61回目は「しろいし洋菓子店」の「しろいし洋菓子店のクッキー缶」をご紹介します。
4段に口福を重ねた進化系クッキー缶
缶を開けるとふわりと漂う甘い匂いや、ぎっしりと敷き詰められたクッキー……。こんなにもクッキー缶が私たちの心を掴んで離さないのは、ときめきを呼び覚ましてくれるからかもしれません。かくいう私もクッキー缶をさまざまな店で買い漁っているのですが、パティシエの自由な発想やアイデアによってさらなる進化を遂げているのを感じます。
最近あっと驚いたのが、「しろいし洋菓子店のクッキー缶」。なんと4段構造で、異なる味わいと世界観を段ごとに楽しむことができる夢のようなクッキー缶なのです。
4段にクッキーをのせるのは耐久性面が難しいことですが、それを見事に実現できたのは「ベイク チーズタルト」や「プレスバターサンド」などスイーツのブームを次々と仕掛けている株式会社BAKEだからこそ。2023年10月に新ブランドの「しろいし洋菓子店」が誕生し、オンラインショップを基軸に販売しています。
見て食べて引き込まれるオリジナルのストーリー
「しろいし洋菓子店」を1階に構える「マンション・インディゴ」に暮らす住人たちの物語をモチーフに構成し、段ごとのクッキーの名称に部屋番号が記されているのもユニークです。
1・2段目の「501号室 夜更かしのためのクッキー」は、一週間にあったことをクッキーをかじりながらお喋りするのが何よりの楽しみな姉妹をイメージして作られたクッキー。缶と同様の螺旋を描くような形もオリジナリティあふれ、発酵バター・アーモンド・チョコ&カカオニブ・アールグレイの4種類の食べ比べが楽しいですよ。
私のお気に入りは、発酵バター。芳醇な香りが鼻先をくすぐり、塩をアクセントで効かせて濃厚な味わいがあとを引くおいしさです。
3段目には「302号室 絵描きとリスの窓辺でかじるフロランタン」がぎっしり!絵描きの作品をフロランタンのお裾分けをかじりながら眺めるのが楽しみなリスとの温かなシーンを元に作られています。
サクサクのクッキーに、アーモンドを混ぜ込んだキャラメルを重ね、柑橘の爽やかな香りが香ばしさを引き立てています。
4段目の「201号室 雪の降らない日のブールドネージュ」は、雪の降らない日に真っ白な丸いブールドネージュを一粒ずつ味わうことが楽しみな楽器職人がモチーフ。しっとりほろほろの口どけは儚い雪を連想させ、アーモンドの香ばしさがふわっと広がります。
ワクワクしながら食べ進めていく構成は、まるで玉手箱のよう。缶の中で繰り広げられる世界観にも引き込まれます。
光によって表情が変わるデザイン性の高い缶
ぐるぐると渦を巻くようなデザインの缶はインパクト大。見る角度や光の当たり具合によって、オレンジがギラっと艶めいたり、ブルーがぐっと深くなったり、さまざまな表情を楽しむことができます。食べ終わった後は、インテリアとして飾りたくなりますね。
缶に込められた素敵なストーリーにも思いを馳せて、味わってみてください。