夫婦になって、子どもが生まれて、日常を過ごしていくことに精いっぱいになりすぎていく中で、「この人とずっと一緒にいたい」と思って結婚したこととか、「夫のこういうところが好き!」と思っていたことなんかをすっかり忘れていた。
でも、心のどこかでは、「仲良くしたい」「愛されていると感じたい」「もっと私を見てほしい」という気持ちが常に沸沸していた。
そして、それに応えてもらえないことがイライラになって、夫婦関係が悪化していった。
イライラの裏に隠れていた本当の気持ちは、「もっと仲良くしたい」だった。
その気持ちに気づいて、夫に言葉で伝えてから、私たちの夫婦関係は少しずつ変わっていった。
話しかけても、聞いてるのか聞いてないのかわからないような返事ばかりしていた夫が、私が話したことでゲラゲラ笑ったとき、うれしくて涙が出た。
あぁ、私が求めていたのはこういう何気ない瞬間に感じる繋がりだったんだなぁと。
それからは、勝手に期待するのをやめて、求めることはできるだけ言葉にして伝えるようにした。どうしたって私はこの人がいないと生きていけないのだから、だったらこの人と幸せに生きていくために必要なことはなにかを考えよう。
夫は、言えばわかる男だった。
そうして少しずつ夫婦関係が良くなっていく中で、私は夫に二度目の恋をしたような気がしている。
自分が実際に経験したこととリンクするストーリーだから、『涙の女王』を見ていると、微笑ましい気持ちで見てしまう。
「もっと素直になって~!」なんて思いながら見てしまう。
日本には、あまりこういう夫婦をテーマにしたドラマがないのはなぜだろう。恋愛ドラマではなく、夫婦が夫婦として成長していくようなドラマを見てみたいな。
それをきっかけに、本当に望む夫婦関係が築ける人が増えたら素敵じゃない?