便通の改善や免疫力の向上に欠かせない、腸内環境の改善。腸内環境が良い人には、朝習慣にしている行動があるようです。今回は、腸の健康に詳しい内科消化器クリニック院長福田頌子さんに「腸内環境が良い人の朝習慣」を教えていただきましょう。
教えてくれたのは……内科消化器クリニック院長 福田頌子さん
愛知県にある「あさひの森 内科消化器クリニック」の院長。消化器病専門医、消化器内視鏡専門医、内科認定医、医学博士の資格あり。クリニックでは保険診療「便秘下痢外来」を開設し、自費診療では「腸内細菌外来」を開設し日々診療を行っている。
1.朝一番にうがい
食べ物は口から入り胃を通り、小腸で栄養分、大腸で水分を取り込み、肛門で排泄されます。食べ物やつばを飲み込むとき、胃や腸に唾液が一緒に流れていき、お口の中に生息する細菌も一緒に胃や腸内へと入り込みます。つまり、朝うがいをせずに飲んだり食べたりすると、細菌まで一緒に胃や腸に入ってしまうのです。
特に最近では、小腸内で腸内細菌が爆発的に増えてしまい、腹部膨満感(お腹の張り)や下痢、便秘などの症状を引き起こす「SIBO(Small Intestinal Bacterial Overgrowth、小腸細菌過増殖症候群)という疾患も増えています。
まず寝起きに「うがい習慣」を付けて腸内環境の悪化を防ぎましょう。
2.朝ごはんを食べる
食事をすると胃が食べ物を受け入れ、消化が始まります。このとき、胃が大腸に信号を送って、大腸の動きが活発に。これを「胃結腸反射」と言います。
その結果、既に大腸にある便が直腸に押し出され、便意を感じて排便することが多くなります。簡単に言えば、食事をすることで消化管全体が活発になり、便を出しやすくなるということです。
ですので、朝ごはんを食べないとこの「胃結腸反射」が起こらず便秘になってしまう可能性があります。朝ごはんが食べられない方はコップに多めの白湯をごくごくとしっかり飲むだけでも「胃結腸反射」が起こりやすいので、まずは白湯から始めてみましょう。
3.朝ごはんの後にトイレに座る
朝ごはんを食べた後は、腸の蠕動(内容物を移動させる動き)が促されます。そのタイミングを逃さずにトイレへ座ることが大切です。
せっかく大腸の蠕動が起きても、朝の準備を優先して便意を逃してしまうと便秘の原因となってしまいます。また便意がない場合でも朝食後に蠕動が起きているタイミングでトイレに座るだけで、排便ができる可能性もありますのでまずは、朝ごはんの後にトイレに座る習慣をつけましょう。そしてリラックスすることと足台を置いて足を上げる体勢で座ることもポイントです。
朝起きて、うがいをして朝ごはんを食べる、その後はリラックスした状態でトイレに座る。この一連の流れが基本中の基本の腸活です。ぜひ今日から実践してみてくださいね!