今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
逃げ込み寺のDIY
今週のさそり座は、周期的に訪れたり、繰り返すものとしての「自律」を日常を組みこんでいこうとするような星回り。
90年代に覇権主義的なグローバリズムへの抵抗として書かれた本にハキム・ベイの『T.A.Z.―一時的自律ゾーン、存在論的アナーキー、詩的テロリズム』があります。
本のタイトルである「T.A.Z.」すなわち「一時的自律ゾーン」とは、「古い社会の殻の内部での新しい社会の核心を築く」ための一形態であり、たえず新しい世界状況に適合させるために「リライト」されねばならないものとして構想されました。
あなたもまた、自分なりの生存に関する一つの実験をどこまで試みていけるかが問われていくのではないでしょうか。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
この道はどこへと繋がっていくのか
今週のいて座は、ド派手な活躍の裏にある地味で単調な暮らしを再設計していくような星回り。
『火を投げしごとくに雲や朴の花』(野見山朱鳥)という句のごとし。神話的な光景をバックに、純白の大きな花が樹上高くに集まって咲いている。そうした印象的な“白”はある種の平穏さや無垢の象徴であり、ここでは赤と白との強烈な対比が際立っていますが、それらの下にはさらに花を埋める木々の“緑”もあることを忘れていけません。
この場合の緑とは、私たちを地に足つけた存在にさせてくれる日々の暮らしであり、地道な努力の積み重ねでしょう。
あなたもまた、自分が目指すべき社会的な到達点を意識しつつ、改めてそこへと繋がっていくだろうロードマップを明らかにしていきたいところです。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
ほら、自由よ
今週のやぎ座は、「古代の哲学者たちのように」振る舞っていこうとするような星回り。
一群の「自然哲学者たち」は、「神」というチート概念を用いずにこの世界の成り立ちを説明するモデルを、自分なりに編み出していった訳ですが、そんな「古代の哲学者たち」と現代のそれとの違いについて、ルーマニア出身の思想家シオランは、『思想の黄昏』の中で極めて辛辣な筆致で述べています。
もしここに何か付け加えさせてもらうならば、古代の哲学者たちと現代の哲学者たちとを分かつものに「闇の深さ」の体験も挙げられるのではないでしょうか。書斎や読書で哲学が可能なのは、電気が発明され普及していったためであり、それが精神に与える影響もまた想像以上に大きかったのではないかと思います。
あなたもまた、いっそ自分が古代の哲学者たちになったつもりで、「霊感が水平にやってくること」、「思想の来るのを待」つことに徹してみるといいでしょう。