今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
地下に何かある感じ
今週のかに座は、こっそり静かに心境の変化が起きていくような星回り。
『秋の箱何でも入るが出てこない』(星野早苗)という句のごとし。
透明にして、容積は無限大。どこまでも入るけれども、いったん入れてしまえばもう二度とそこからは出られない、この世とあの世のはざまの亜空間。そんな「秋の箱」が、不意に身近に感じられてきてしまう時があったというのです。
あなたもまた、そんな「秋の箱」のように、なんだか得体の知れない気分や衝動が入るだけの余地がみずからの内に空いていくことでしょう。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
幼な心を忘れない
今週のしし座は、ここのところ心を支配していたしがらみから解き放たれていこうとするような星回り。
哲学者の上田閑照は禅の本質について述べた『非神秘主義』の冒頭に、「指を立てる」という実に興味深い体験について綴った文を置いています。
普段から挨拶代わりによく繰り出していたVサインに対して、自分たちとは明らかに年代や世代や社会的立場が異なるはずの老人が即座に、枠から外れた反応を返してきた。それをみた子どもたちは、何を感じたのか。おそらく、「ああ、目の前にいるのは自分たちと同じ子どもなのだ」と感じたのではないか。
あなたもまた、「この席空いてますか」と尋ねるくらいの軽やかさで自分の心を解き放っていきたいところです。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
さみしさを分泌する
今週のおとめ座は、生々しい人間味をどうにか浮き上がらせていこうとするような星回り。
『開くる人を待つかに襖(ふすま)夜長けれ』(長谷川零余子)という句のごとし。
夜の沈黙の中に佇む襖は、まるで「誰か開けてくれる人はいないかなァ」と、その開ける人をじっと待ち続けているように見えると。一介のモノに過ぎない襖を魂の宿った生き物のごとく見立ている訳ですが、これは作者の心持ちのごくシンプルな投影でもあります。
あなたもまた、自分自身を対象としたドキュメンタリー映画を回しているようなつもりで過ごしてみるといいかも知れません。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
レッツ無為
今週のてんびん座は、身体の邪魔をなるだけしないよう、その声をしっかり聞き届けていこうとするような星回り。
整体師の片山洋次郎は、現代の都市圏のように大量の情報に浴びざるを得ないような環境では、情報の刺激でうっ積したエネルギーをいかに発散していけるか、もっといえば「発散させる身体」になることが最も大事なのだと述べてきました(『気ウォッチング』『オウムと身体』)。
発散させるためには、やはり知的レベルではなく身体的レベルで自分自身を組み替えていく必要があるし、そこでは正しいあり方に自分を「作りあげていく」のではなくて、ひたすら体の緊張を「解きほぐしていく」のだと言います。そうすれば、おのずと自分が無理なくやっていける方向や、いちばん素直なあり方が見えてくるのではないか、と。
あなたもまた、改めて発散させる身体習慣を取り戻していくことがテーマとなっていくでしょう。