今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
縁を乞う
今週のかに座は、心の底から望みつつも手に入れられていないものが明確になっていくような星回り。
『冬日を頒つ友なし山を開拓す』(細谷源二)という句のごとし。
生活俳句はともすると愚痴に流れるか、スローガンが先行しすぎてしまうかのどちらかに寄りがちですが、掲句からは今まさに生きようとしている自己をじかに掴み取っていこうとする無骨な真摯さが感じられるはず。
あなたもまた、そんな秘めた想いがはっきりとした願い事へと変わっていくプロセスを踏んでいくことになるでしょう。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
なりふり構わず
今週のしし座は、今こそ「奴僕」となって世の為人の為に尽力していこうとするような星回り。
仏教学者の渡辺照宏は、不動明王の特徴は「奮迅、忿怒、威猛」に尽きるのだとした上で、斬新な表現で説明を加えています。
不動明王は「奇怪」にして「崇高」であるという「ヌミノーゼ(言葉では言い難い非合理的で、さまざまな宗教的要素を包含したもの)」の体現者であり、それゆえに人びとはそこに「畏怖」を感じてひれ伏すと同時に、どうしようもなく「魅惑」を感じて引きつけられるのだと言うのです。
あなたもまた、どうしたら少しでも「お不動さま」に近づいていけるのか、自分の頭で考え実践してみるといいでしょう。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
弱弱しくも清らかな
今週のおとめ座は、聖なる感覚がひときわ高まっていくような星回り。
『教会のやうな冬日を歩みをり』(石田郷子)という句のごとし。
冬の厚い雲間から日ざしが光線のように降りそそいでいる空間を、どこか教会の聖堂の内部のように感じながら歩いているのでしょう。そう読むと、とたんに身に受ける冬の日ざしの厳かな質感が鮮明に像を結んで頭に浮かんでくるはず。
あなたもまた、道徳的に正しいものでも、自分に特になるものでもなく、思わず身が浄化されるような感覚を覚えるものの方へと歩み寄っていくべし。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
地層が動く
今週のてんびん座は、「歩く」ということをいったんひも解いては、別様にむすび直していくような星回り。
ポーランドの演劇家イェジュイ・グロトフスキは、舞台装置や音楽、セリフなどの総合としての「豊かな演劇」に対して、演劇にとって不可欠な要素だけを残して他を大胆にそぎ落としていった「貧しい演劇」を提唱したことで知られ、同時代の舞踏家・土方巽の「肉体の叛乱」などとも通底するところがあります。
どちらとも、中心になってくるのは演者の「身体」やそれによる対話であり、そこでは自分の考えや意見を言葉によって主張できるし、そうしていくべきといった近代社会的なお約束事は崩れ、むしろ言葉による概念やカテゴリーがずらされ、溶かされ、これまでとは別の仕方でつなぎ直されていく―。
あなたもまた、やはり自分の“身体”がどれほど多くのことを行っているかを肌で実感していくことでしょう。