今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
或る経験の浮き沈み
今週のさそり座は、いつも以上に饒舌になっていくか、だんだん無口になっていくかのいずれかに振れていくような星回り。
『口重き男いきなり鶴のこと』(蟻塚尚孝)という句のごとし。
ふだん無口な男が、不意に口を開いたと思ったら鶴のことだったというところが、なんとも華やかな一句。しかし、いつもならあいづち専門で、自分から話を切り出すことなんてまずしないような人間が饒舌になればなるほど、相手の口数が減ってしまうのはなぜなのか。
あなたもまた、意外なところで関係性のつり合いが取れていくことになるかも知れません。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
漂泊の心性を温める
今週のいて座は、「働いても働いても生活が楽にならない」という状況をどう打開していくのかが焦点になってくるような星回り。
「定住漂泊」とは、俳人・金子兜太がまだ日本銀行に勤めていた53歳頃、2年後の定年を前に自身の生き方を定めるつもりで書いた本の題名であり、そのまま彼の生き様を表した言葉。
金子にとって、漂泊とはある種の情念であって、必ずしも放浪生活そのものは必要でなかったのでしょう。そうではなくて、反時代の、反状況の、反自己の、定着することができない魂の在り様であって、その芯の部分には「無」や「虚」があったのだと思います。
今週のいて座もまた、自分の中にある日常では決して満たされない部分を薄めてしまうことなく、肯定し受け入れていくのか否定し絶っていくのか、問われていくことになりそうです。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
真の人生は
今週のやぎ座は、どこかで隠し持っていた「本気」を発動させていこうとするような星回り。
『膝がしら木曽の夜寒に古びけり』(小林一茶)という句のごとし。
同じ頃の作品に有名な『やせ蛙まけるな一茶これにあり』という句もあるように、掲句でもむしろ使い込んできた膝がしらが鈍く光っているのを見て、ニヤリと笑っているようでもある。追いこまれてきた感じもするが、それで終わってしまう気もしない。今回も何とかなるだろうし、何とかするしかない。そうして隠し持っている底力をゆり動かしている様とも読めるのはではないでしょうか。
あなたもまた、どこかでまだ噛み合っていなかったギアを入れてていくような瞬間がやって来るでしょう。