今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
超個人的悪について
今週のさそり座は、相も変わらずそこらじゅうに跋扈している悪についての洞察を深めていこうとするような星回り。
歴史学を専門としつつも、哲学博士でもあるJ・B・ラッセルは『悪魔の系譜』において、悪の定義として①悪は現実的で具体的である、②悪は人間によって行われる、という2点を挙げました。
科学が文明が発達し、社会構造も高度で複雑化している現代社会では、むしろ「悪魔は消え去った」と考えるのが当たり前であり、その分だけ人びとの「悪に対する感度」が鈍くなってしまったように思います。
あなたもまた、一見すると善人や天使の顔をして大手をふるって歩いているような悪をこそ、看破していきたいところです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
脳みそ再稼働!
今週のいて座は、これまでどこかでせき止められていた感情や言葉が流れ出していくような星回り。
『煙突の煙あたらし乱舞の雪』(西東三鬼)という句のごとし。
煙突が無数に立っていながらもそこから少しも煙が出ないというのは、ある種異様な光景ではありますが、たとえば工場地帯をひとりの人間の脳に置き換えてみると、それが久しぶりに稼働したということも含めて少し分かりやすくなるかも知れません。
あなたもまた、長らく自分の口から出てこなかったような言葉が自然とついて出やすくなっていくはず。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
聴くと書く
今週のやぎ座は、ますます流動的で可変的になっていく人生のただ中で正気を失わずにいられるよう心がけていくような星回り。
かつて哲学者の井筒俊彦は、現代哲学の巨人デリダを参考に、「現実」という言葉を「テクスト」に、「存在する」ことを「テクストの織り出し」へと読み変えてみることで、今まで全然見えていなかった側面が露呈してくるのだと述べていました。
「書く」と「テクスト」と「存在」が奇妙な形で結びつけ、テクストの織り出しを現実現出の術策とするこの解釈においては、「一切は『テクスト』であり、『テクスト』内の事態」であって、そうすることで「我々は我々自身を、流動的可変的な『テクスト』として織り出して」いるのだと井筒はいいます。
あなたもまた、人生の困難に陥ったときほど、「なぜ」をより一層深めつつも手を動かしていきたいところです。