管理職になるほうが独立よりリスクは少ない!?
当然、組織という後ろ盾がないからこその不安定さや、仕事をシビアにジャッジされる厳しさに直面するのもフリーランスの宿命。
「独立にはリスクが伴います。『責任を負う自信がない』という理由でマネージャーを躊躇している人が、キャリアチェンジの選択肢として独立することはおすすめしません。会社に所属して管理職になるほうが、フリーランスよりも断然リスクは少ないはずですから」
もちろん、マネージャーよりもプレイヤーとして活躍していきたいと強く思うなら独立もあり。今はフリーランス向けに仕事を斡旋する人材会社もあり、以前よりリスクを負わずに独立できる環境にあるという。
「スタートアップ企業など、部署として広報を持たない会社からスポットで案件が来ることも増え、フリーランス広報の需要が高まっているのを感じます。パソコンとスマホさえあれば初期投資をかけずに独立できますし、遠方にいるクライアントの仕事もリモートで受注することが可能。いずれにせよ、仕事の向き不向きはやってみないとわからないですよね。私もいまだに広報が向いているのかどうかわからないので(笑)。もしも管理職になる貴重なチャンスが巡ってきたらぜひチャレンジしてみてほしいし、独立に興味があるなら、副業から徐々に始めてみるのもいい。リスクと責任を負うからこそ、仕事はさらに面白くなるはずですから」
「管理職試験での失敗をきっかけに独立することを決意しました」
「フリーランスはリスクもあるけど自由もある!」
小野さんのHistory
21歳 2002年
株式会社AOKIホールディングス入社
アニヴェルセルカフェに異動
23歳 2004年
2年後に退社しフランス・パリへ留学
24歳 2005年
ハイアット リージェンシー東京入社
29歳 2010年
外食業界向けニュースメディアでライター・編集に携わる
31歳 2012年
株式会社ABC Cooking Studio入社
法人営業から広報部へ
管理職を選ばなかった
35歳 2016年
管理職試験を受ける
その後退職しフリーランスに
36歳 2017年
PR会社「EAT UNIQUE」設立
管理職になる? ならない? 小野さん的回答
向き不向きを決めつけず、ワクワクするほうを選んでみて
3. やりがいは?忙しさは?お給料は? リアル30代管理職の匿名座談会
中間管理職ならではの悩みや孤独感に直面することも
A子 私が管理職になったのは上司が抜けた外的要因もあったけど、半分は自分でも目指していました。
B子 管理職になる前提でアシスタントマネージャーを経験したから、私も昇進の不安はなかったかな。
C子 うちの会社はある日突然抜擢されるパターン。昇進は想像してはいたけどあまりに急で驚きました。マネージャー時代、メンバーの悩みを聞いたりモチベートするのはめっちゃ得意で。ただ、部長に上がったとき、上司から「マネージャー業務ばかりしてるんじゃない。中長期の事業プランをつくれ」と怒られて。誰もやり方を教えてくれないから一旦ネットで調べたけど、新規事業だったので当然情報は落ちてなくて(笑)。初めてのことを突然ポンッと任されるのは死ぬほど大変だったし、最初はかなりの挫折を経験しましたね。
A子 それは大変そう……。私の場合は直属の上司が辞めて暫定的に営業の部長が企画を兼務していた状況があったんです。その人は企画への理解がないから社長の承認を得る会議もほぼ私に丸投げ。「誰が最終的に責任をとってくれるんだろう」という不安はありました。頼れる上司がいなかったのはしんどかったな。
B子 愚痴や不安を部下に言うわけにいかないしね。
「愚痴を言える相手が減った!昇進したことによる孤独感は人脈づくりで乗り越えました」