今週のかに座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
生きたつながりの再確認
今週のかに座は、内部と外部、外部とそのまた外部との共鳴を果たしていこうとするような星回り。
『山笑ふ胎動ときにへその裏』(仙田洋子)という句のごとし。
この句はみずからのへそを通して、内部に宿った胎児と、外部で笑っている春の山が共鳴している<コレスポンダンス(照応)>の体験を刻印してくれているだけでなく、読者をそこに誘い、追体験させてくれているのだとも言えます。
あなたもまた、そうした連綿とした繋がりのようなものを改めて実感していくでしょう。
今週のしし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
語るべき言葉の深まり
今週のしし座は、誰かと競い合ってでも自分がもの語りたくなるような話を求めていこうとするような星回り。
『世の中は三日見ぬ間に桜かな』(大島蓼太)という句のごとし。
古代ギリシャの二大英雄叙事詩『オデュッセイア』と『イーリアス』の作者と伝えられるホメーロスは、残された史料の伝えるところによれば、遍歴の吟遊詩人であると同時に、盲目の人であったと言います(高津春繁『ホメーロスの英雄叙事詩』)。
あなたもまた、世代を超えて語り聞かせていくべきものは何かということを、おのずと意識していくことになるでしょう。
今週のおとめ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
揺るがぬ矜持
今週のおとめ座は、ささやかながらも畳みかけるように自身の核心をなぞっていくような星回り。
『春の雪青菜を茹でてゐたる間も』(細見綾子)という句のごとし。
老境に入りつつあった70手前で詠んだ作品。作者はふだんの暮らしの中で感じたことを、敏感な魂と平明な言葉遣いでもって表現する俳人でした。朝から春の雪が降っていたのでしょう。季節外れの、思いがけない調子と晴れやかな印象から「桜隠し」という呼び名もあり、作者もどこかしらはなやいだ気分でいたのかも知れません。
あなたもまた、一見すると平凡に見えるような日常こそが自分の主戦場なのだというという確信を深めていくことでしょう。
今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
頭を置いてぼりにする
今週のてんびん座は、どこか忘れかけていた「生身の動物としての感覚」をとっさに思い出していくような星回り。
相対性理論を提唱したアインシュタインと言えば、現代の天才の代名詞のような人物ですが、彼が時代を超えてここまでアイコニックな存在たりえているのは、あの有名な舌だし写真の効果も大きいように思います。
アメリカのプリンストン高等研究所で72歳の誕生日を祝われた帰り、タクシーに乗り込んだところを狙ったメディアに「べーっ」とやってみせた写真は、数々の雑誌の表紙を飾っただけでなく、あらゆるポートレートのなかでも出色の出来と言えるでしょう。
あなたもまた、うっかりそうした誘いに乗ってみるといいでしょう。