今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
シャレを通す
今週のさそり座は、自分の周りを完全に「月」的なものに仕上げていこうとするような星回り。
『海に入りて生まれかはらう朧月』(高浜虚子)という句のごとし。
「海に入って生まれ変わろう」なんてキザったらしいセリフを、たとえ自分自身への独り言であったとしても、人生で口にする機会が果たしてあるかと問えば、ほとんどの人間がNOと答えるのが正直なところだろう。
あなたもまた、まずは口ならしに「シャレだよ、シャレ」とひとりつぶやいてみるといいだろう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
「絶対」の粉砕
今週のいて座は、おのれの理解をこえた「神の業」のはしっきれを垣間見ていこうとするような星回り。
エドガー・A・ポーの作品に『メエルシュトレエムに呑まれて』という短編小説があります。これはノルウェーの漁師が予想外の嵐に煽られ、船もろともメエルシュトレエムと呼ばれる巨大な渦の中に巻き込まれてしまうというお話。
漁師は奇蹟的に助かりましたが、わずか数時間で髪が真っ白になり老人のような見た目になってしまったというそうなのですが、そこにはどうも恐怖だけでは割りきれない“何か”があったのです。
あなたもまた、自分じゃ「とうていかなわない」と思えるような何かを目の当たりにしていくチャンスに恵まれていきやすいでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
恥をさらして
今週のやぎ座は、おのれが生きてきた「世界の感じ」を公然と示していこうとするような星回り。
『こみ上げて来るほほゑみや花吹雪』(安積素顔)という句のごとし。
作者は10代の頃に病気で左側の視覚と聴覚を失い、子どもが生まれた後になって網膜剥離で右目も見えなくなった中途失明者。盲俳人の句というのは、どことなく淋しい翳(かげ)のようなものがついて回りますが、この句の「微笑み」はその度合いがことさら深いように感じられます。
あなたもまた、作者が浮かべていたであろう表情に通じる「春のあわれ」を、少なからず体現していくことになりそうです。