今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
島国根性でいく
今週のさそり座は、相互に情報を拾い合い、影響を与えあう関係へと塩梅を調節していこうとするような星回り。
脳性まひ当事者で小児科医の熊谷晋一郎は、子どもの頃に体験した脳性まひのリハビリでのトレイナーとのやりとりを振り返りつつ「ほどきつつ拾い合う関係」という言葉を使っています。
一体化ではなく、融合的であるということ。そこには変化する相手の体の状態を聞き取ろうとする、つまり、「拾い合う」姿勢があり、その限りにおいて一時的に「ほどける」余地が生じていく。ゆえに、完全にひとつに混ざりきることなく、それでいて二者間の関係も無理なく、自然体で持続していくことができるのではないでしょうか。
あなたもまた、ともすると一方的かつ暴力的な関係に陥りやすい目上の相手とのやり取りに注意を向けていきたいところです。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
語り部と占者
今週のいて座は、ある番組のナレーターになったつもりで現実を物語っていこうとするような星回り。
『春雨やものがたりゆく蓑と笠』(与謝蕪村)という句のごとし。「ものがたりゆく」とありますから、何事か会話はしているはずであり、雨音の効果もあって、もう少しで聞き取れそうな錯覚に陥るものの、具体的にどんな言葉を交わしているのかまでは判然としません。
関係性、会話、行く先、すべてが曖昧模糊としたまま、雨の情景のなかに溶け込んでいくような印象だけが残り、まるで長大の物語のワンシーンを一人の語り部の視点から写しとったかのようです。
あなたもまた、ある状況に置かれた人々や物語要素を、創造的に新たな驚くべき全体へと結びつけていくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
夫婦関係は一番の修行
今週のやぎ座は、「言ってはならない本当のこと」を口にしたり、させたりしていくような星回り。
島尾敏雄の私小説『死の棘』は、夫の不倫が妻にばれたところから始まるが、ただの痴話喧嘩などでは済まず、夫人はその事実によって精神に異常をきたしてしまい、ひたすらに夫を責め、攻撃し、夫はひたすらに耐え忍ぶ。言ってしまえばそれだけの小説でもある。
そして話がすすむにつれ、次第に夫のほうも頭がおかしくなっていくのだが、そこで不思議な感慨に打たれる。病んだ描写ややりとりも行き過ぎると、それはそれで妙におもしろくおかしく感じられてくるのだ。
あなたもまた、圧力鍋の中に入れられたような、ある種の強い緊迫感が漂っていくでしょう。