今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
考えてもいなかったところにいく
今週のさそり座は、決定的に自分と異なる立場や対照的な意見をこそ受け入れていこうとするような星回り。
ジブリで映画化された『ゲド戦記』の原作で、アーシュラ・K・ル=グウィンの代表作でもある『影との戦い』というファンタジー小説があります。魔法の力のもつ怖ろしさについて言い聞かされていたものの、傲慢になっていた主人公の少年ゲドは、自分の力を過信し、恐ろしい結果を招きます。
その際に大怪我を負ってしまったゲドは、以来その存在におびえ、悩まされることになりますが、魔法使いの恩師から、「影を追いかけてはどうか」と提案を受け、ゲドはひとり“影”を狩るための旅立ち、物語の結末において影と一つになるのです。
あなたもまた、目前に横たわっている小さくて深い溝を埋めていくことがテーマとなっていくでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
子どものための感情
今週のいて座は、詩の始まりであり、感性の根源としての「淋しさ」をかみしめていくような星回り。
『大人より子供の淋し竹の秋』(田中裕明)という句のごとし。晩春になるにつれ、竹の葉が黄変し落葉するさまを表した「竹の秋」は、あまり人目に触れない地味な季節の変化をとらえた春の季語。
ただ、この「大人より子供の淋し」という措辞はごく平明な表現ではありますが、大人からは決して届かない子供の内面には「理由のないかなしさ」があるという対比構図をしずかに示してくれているように思えます。
あなたもまた、大人になって失ってしまった「理由のないかなしみ」を改めて思い出していくべし。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
古層への回帰
今週のやぎ座は、「いたずら、反抗、けんか、おどけ、ふざけ」を改めておのれに呼び込んでいこうとするような星回り。
精神医学者の平井信義は、45年にも及ぶ自身の子ども研究(児童学)の成果を、七十歳手前で『子ども期と老年期―自伝的老人発達論』にまとめています。
子ども期と老年期の近似性とその本質について考察していくうえで、きわめて重要な指摘であるように思いますし、確かに子ども期に培った童心を老年期においても失わずに持ち続けることこそ、しあわせな人生の秘訣なのかも知れません。
あなたもまた、まだ老年期には至っていないにしても、自身のなかに残っている童心の残滓を改めて見出していきたいところです。