isutaでは今週も、SUGARさんが贈る週間占いを配信。
2025年上半期の占いも公開しているので、ぜひ併せてチェックしてくださいね♡
今週のおひつじ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
杉菜と星と
今週のおひつじ座は、想定外の新鮮な驚きにからだごと開かれていこうとするような星回り。
『鉄道員雨の杉菜を照らしゆく』(福田甲子雄)という句のごとし。
光に照らされ闇の中からぬっと現れる杉菜は、雨に濡れていることもあって、昼間の印象とはどこか違って、どこか生き物のようななまなましさがあります。しかも懐中電灯で闇を照らすたびに、そこかしこに杉菜があらわれる様を目にしているうち、逆に自分の方が地の底からじっと見られているような感覚に陥ったのかも知れません。
あなたもまた、草葉の陰からこちらを見守っている死者たちに応えられるようなふるまいを心がけていくべし。
今週のおうし座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
語るな、示せ
今週のおうし座は、虚しい言葉のざわめきを必至の無言劇に変えていこうとするような星回り。
ウィトゲンシュタインは、生前唯一刊行された『論理哲学論考』の末尾の一節である「語りえぬものについては、沈黙せねばならない」という言葉でよく知られる哲学者です。
実際、彼ほど言語表現について言語を用いて考えるという、まるで堂々めぐりのような試みを徹底的に行おうとした哲学者はいないのではないかとも思えます。しかし、愛弟子であるノーマン・マルコムの『回想のヴィトゲンシュタイン』を読んでいると、かえって(外向けに語るときの)言語から離れたところでのウィトゲンシュタインの姿こそ、彼の考えの核心部分を端的に示しているように感じます。
あなたもまた、いかに語りうるかではなく、いかに示しうるかをこそ試行錯誤していくべし。
今週のふたご座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
境い目をくずすもの
今週のふたご座は、すっかり色褪せくたびれてしまった現実の外へと漕ぎ出していくような星回り。
『春惜しむモーリタニアの蛸の足』(矢島渚男)という句のごとし。
単に旬の食材であったはずの「モーリタニアの蛸の足」は、何かを恋しく思う惜春の情もあいまって、かすみの向こう側に広がる世界の彼方と<今ここ>とを結ぶかすかな手がかりとなり、それは口に出してみると思いのほかリズミカルな語のしらべによって、読者を見たこともない未知の海へと連れ出してくれるはず。
あなたもまた、そうしたかすかな手がかりをアリアドネの糸のごとく手繰りよせていくべし。