温度差や栄養バランスの偏り、ミネラル不足、内臓冷えなどで起こる夏バテ。今回は、夏バテせずに暑い夏を乗り切るための食事をご紹介します!
夏に起こりやすいトラブル「夏バテ」
暑さとダルさで運動不足に。さらには食欲も落ちて栄養バランスが乱れがち。体力が低下すると肌あれ街道まっしぐらを進むことに。また、オフィス、商業施設、通勤時の乗り物など、屋内はどこも冷房で冷え冷え。手足や肌などの末端だけでなく、内臓冷えも夏バテの原因に。
教えていただいたのは…
管理栄養士
浅野まみこ先生
エビータ代表。食育活動やレシピ開発、講演など多方面で活躍。著書は『コンビニ・ダイエット』(講談社)など。
夏バテ対策におすすめの食事
暑さでバテやすい夏は、食欲が落ちて栄養バランスが乱れがち。そんな夏に起きやすい不調を改善する栄養素について管理栄養士の浅野まみこ先生がアドバイス。
➀不足しがちな栄養素を補う食事
たんぱく質、ビタミンB群、ビタミンCが不足しやすく夏バテが加速
「夏バテ中は食欲が落ち、そうめんやアイスのような冷たくてのどごしがいいものばかり食べがち。食事が糖質に偏るためたんぱく質が不足します。栄養が偏ると代謝に関わるビタミンB群やビタミンCも不足しやすいので、余計に疲れやだるさが加速してしまいます」(浅野先生・以下同)
不足しがちな栄養素1位:たんぱく質
食事が糖質に偏るとたんぱく質が不足するので意識して摂って。疲労回復によい成分が含まれる鶏胸肉や、疲労回復によいビタミンB1も多い豚肉は効率的な食材。
不足しがちな栄養素2位:ビタミンB群
同じく食事が糖質に偏ると、糖質の代謝に関わるビタミンB1が消費され不足。ビタミンB1は疲労回復効果もあるので不足すると疲れやだるさにつながる。豚肉、うなぎなどに豊富なので不足を感じたら取り入れて。
不足しがちな栄養素3位:ビタミンC
ビタミンCは全ての代謝に関わる栄養素。食事量が減ると不足し、またストレスでも消耗する。野菜や果物、いも類などに多い。
➁こむら返りが頻繁に起きるときにとると良い食事
電解質=ミネラルが不足。麦茶などで補う
「こむら返り、つまりふくらはぎがつる原因のひとつは脱水症状による電解質不足。電解質とは血液中のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのミネラルイオンのことで筋肉の収縮など体の機能を調節する働きがあります。ミネラルが不足しないよう水分をしっかり摂って。ミネラルが多い麦茶が特におすすめ」
③睡眠が浅い・寝付けないときにとると良い食事
糖質やたんぱく質を摂って体内時計を正しくリセット
「乱れた体内時計を正しい状態にリセットするために、生活リズムを整え、朝食を抜かずに摂って。特に朝に糖質やたんぱく質を摂るとリセットされやすいです。また大豆製品や乳製品、バナナなどに多いトリプトファンを摂ると、夜に眠りを誘うメラトニンに変わり寝つきがスムーズに」
④肩こりが治らないときにとると良い食事
血行を促進するビタミンEが多い食品を
「肩こりは血行不良が原因のひとつなので、血行を促すビタミンEを多く含む食品を摂るのが効果的。アーモンドやかぼちゃ、アボカド、卵黄などに豊富です。また、疲労回復を促すクエン酸やビタミンCが多い食品もおすすめ。クエン酸はお酢や梅干し、柑橘類などに、ビタミンCも柑橘類のほか野菜、果物に豊富。そのほか代謝を助けるビタミンB群も補給を」
⑤冷房で冷えた日に食べると良い食事
温かいもので胃腸を温めて。たんぱく質や鉄も補給を
「冷えたときは、みそ汁などの温かいものを摂って胃腸を温めるのが一番です。また、たんぱく質は摂ったときの熱産生が最も高いので摂りましょう。ごはんを食べるのもいいです。そのほか、鉄が不足していると体が冷えやすいので、赤身肉、まぐろやかつおなどの魚介類、小松菜やほうれん草などのような鉄が多い食品も摂りましょう。鉄の吸収率を高めるビタミンCも一緒に摂るとより効果的」