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[HSP × 仕事]断れないあなたへ。そっと寄り添う3つのヒント|精神科医がアドバイス

精神科で外来を行い、6万人以上インスタやvoicyのフォロワーに対してHSP気質に関する発信、書籍刊行など幅広い分野で活動する精神科医しょうさんが、HSPやメンタルヘルスに関する身近なギモンを解説。生きづらいをラクにするためのヒントを連載形式で紹介します。

職場で、こんなふうに感じたことはありませんか?

頼まれごとに「大丈夫です」と笑顔で応じたけれど、本当はもう手一杯で、心の中では「また引き受けてしまった…」と後悔している。
断ったほうがよかったのに、結局また我慢してしまった自分を責めてしまう…

もし思い当たるなら、それはHSP(繊細さん)特有の「やさしさ疲れ」かもしれません。今回は、そんな“断れない自分”にそっと寄り添うヒントをお届けします。

HSPが「断れない」理由

HSPは、相手の気持ちや場の空気を敏感に察知できる人が多いと言われます。だからこそ、こんな思考になりがちです。

「断ったら申し訳ないと思われるかも…」
「頼まれるということは、期待されているってことだよね」
「断ったことで、雰囲気が悪くなったらどうしよう」

優しくまじめで、責任感が強い。そんな強みゆえに「NO」が言えないんですね。でも、その“やさしさ”がときに、自分自身を苦しめてしまうことがあります。

「断れないまま」続けると、どうなるか

頼まれたことを断れずにいると、少しずつ負担が積み重なっていきます。自分の仕事が後回しになり、いつも時間に追われて、心が疲弊していく。そして、仕事が終わっても気が休まらない。家に帰ってからも、「また引き受けてしまった…」という後悔や罪悪感がぐるぐる頭を回る。その結果「仕事に疲れた..」「もっと私が頑張らないと..」と、仕事で悩んでしまうHSPさんがとても多いんですね。

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AdobeStock

「断れない」を少しだけラクにする3つのヒント

① やさしい決断のための“ちょっと待って”タイム

頼まれごとをされたとき、つい「すぐに返事をしなきゃ」と焦ってしまうことはありませんか?でも、HSPさんにとっては返答まで間を作ることが、とても大切な時間です。なぜなら、この時間を作ることで、焦らずに自分の本当の気持ちや体調をしっかり確認することができるからです。この「間」を大切にすることで、自分のペースで物事を受け止められるようになり、断ることも少しずつラクになっていくでしょう。あなたも、今すぐには答えられない自分を許してあげてくださいね。

② 無理しすぎない「ここまで」の線引きを

頼まれごとが次々と来ると、どこまでなら大丈夫なのか分からなくなってしまいますよね。そこで、普段から「ここまでなら無理なくできる」という自分の限界ラインを考えておくことが効果的。例えば、「1日に新しい仕事は2件まで」や「休憩時間は必ず確保する」など、具体的なラインを自分の中で決めておくと判断がしやすくなるんですね。このラインを守ることは、自分を守るための大切なルール。無理をしすぎて疲れてしまうのを防いでくれます。あなたが心地よく働けるちょうどいいバランスを、少しずつ見つけていきましょう。

③ 怖くない“NO”を伝える言葉リスト

いざ断ろうと思っても、どう伝えればいいかわからず、焦ってつい引き受けてしまう。そんなHSPさんも多いのではないでしょうか?そんなときのために、「使いやすい断りの言葉」をあらかじめいくつか用意しておくと便利です。例えば、

・「すみません、今は難しいです」
・「またの機会にお願いします」
・「少し時間をください」

このような、短くてやさしい言葉をストックしておくことで、いざというときにパッと言葉が出やすくなります。

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そして自分に合った言葉をリスト化しておくことで、心の負担も軽くなり、断ることが少しずつ怖くなくなっていくでしょう。まずは、少し時間をくださいから始めてみませんか?断ることは、冷たさではなく、あなたを守るためのやさしい選択肢。自分を責めないで、少しずつ“自分を大切にする勇気”を育てていきましょう。

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