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マンションの隣の部屋へ…!?人懐っこい飼い猫の意外な交友関係にほっこり

猫の猫らしい行動に、自分の生き方を重ねてハッとする瞬間があります。グラフィックデザイナーの島 喜実子さんもその一人。人にも、猫にも、懐っこい「ビート」の素直さを目の当たりにして、島さんともう一匹の飼い猫である「ニコ」は、ある思いにふけります…。

ニコとビート、それぞれとの出会い

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茶トラの「ニコ」(13歳・オス)は、硬派だけど実は寂しがり。牛柄の「ビート」(6歳・オス)は、甘えん坊で食いしん坊。二匹の飼い主は、飲食店のメニュー制作などを手掛けるグラフィックデザイナーの島 喜実子さんです。島さんが、先住猫のニコを迎え入れたのは13年前。勤めていたデザイン事務所を辞め、フリーランスになるタイミングだったそうです。

「里親にはずっと興味がありました。家で一人、仕事をはじめるのを機に、念願の猫も飼いはじめようと里親募集のSNSを見ていたら、前から飼いたいと思っていた茶トラの募集があったんです。電車を乗り継いでニコを引き取りに行った帰り、キャリーバッグに入れたニコが車中でニャーニャー鳴いて、その鳴き声にソワソワしたのを覚えています」

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ニコが来てから6年後。息子さんを幼稚園に送る道すがら、歩道の隅で行き倒れていたビートを見つけました。

「最初はなにか落ちていると思って、そのかたまりが何なのかわからずに近寄ると子猫でした。急いで息子を園に預け、キャリーバッグを取りに家へ駆け戻って、その足で動物病院へ。瀕死の状態で、助かるかどうかもわからなかったため、名付けることもできず、そのまま1週間の入院。無事退院後も薬を飲ませたり、ミルクをあげたりと初めてのことばかりで、二匹目が来た喜びに浸ることができたのは、しばらくたってからでした」

晴れた日はベランダづたいに

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硬派なニコは夜、皆が寝静まり、島さんが一人ほっとひと息つくタイミングを見計らったように近づいてくるそう。人目があると素直に甘えることができないニコとは打って変わって、ビートは甘えたいと思った時に、甘えたいだけ甘える人懐こい子です。しかも、その懐っこさは人ばかりではなく猫にまで発揮されるのだとか。晴れた日はベランダをつたって自身の友だちに会いに行きます。

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「ある日、同じマンションの同じ階に住む方から、『もしかして猫、飼っていらっしゃいますか?』と聞かれ、『はい』と答えると、『お宅の猫ちゃん、よくうちに遊びに来るんですよ』って(笑)

二軒隣りの方だったのですが、そのお宅でも猫を二匹飼っていらして、とても可愛がっていただいてます。その方のインスタで知ったんですけど、家にまで上げてもらっていて…(笑)」

甘えん坊ビートの爪の垢を煎じて…

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島さんがビートに教わったこと、それは「素直さ」です。

「ビートの素直に甘えられる精神がいいなって。私は長女なので、どちらかというとニコと似ていて、素直に甘えることができないニコがいじらしくてキュンとします。でも、私もニコも、相手の都合はお構いなしに甘えられるビートの爪の垢を煎じて飲んだ方がいいのかも」

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「まだ空が明るくなりきらない早朝、私の顔をちょんちょんと前足で触って起こしてまで、布団に入って来るビート。でも、私の腕に前足を揃えて乗せ、そのまま眠りにつくビートは、それはそれは可愛くて、私をしあわせにしてくれます」

ビートの素直さが羨ましいと思った方、たまには相手のお構いなしに甘えてみるのもいいかもしれません。意外と甘えられた方もしあわせになったりして。さて、次回は、島さんちの小学6年の息子さんと二匹のお話です。お楽しみに!

photo / 筒井聖子

グラフィックデザイナー・島 喜実子

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