長きにわたり愛され、受け継がれるロングセラーの焼菓子は、ここぞという時の大事な場面や、目上の方へのきちんとした手みやげを用意する時のために覚えておくと便利です。その背景にある歴史も知れば、贈り相手との会話も弾むはず!
長きにわたり愛され、受け継がれるロングセラーの焼菓子は、ここぞという時の大事な場面や、目上の方へのきちんとした手みやげを用意する時のために覚えておくと便利です。その背景にある歴史も知れば、贈り相手との会話も弾むはず!
レトロな横浜の面影を残す、えの木ていが作る「チェリーサンド」
かつて外国人居留地だった横浜・山手に残る数少ない西洋館のひとつがえの木てい。1927年に建築家の朝香吉蔵が設計した英国式の建物で、1970年に日本人が移住。その歴史的な西洋館を目当てに訪れる観光客を相手にふるまっていたお菓子が喜ばれたことをきっかけに、1979年に洋菓子店としてオープンしました。
創業当時より人気だったのが、糖蜜でじっくり煮込んだチェリーソースがたっぷりとかけられたレアチーズケーキです。その後、常連客からのリクエストを受け、チェリーを使ってアレンジしたスイーツをさまざま考案。試行錯誤の末に完成したのが「チェリーサンド」です。
満足感はあるのに軽やか! 20年以上変わらず守り続けるレシピ
長く愛され続けている理由のひとつは、ボリューム感と軽い口当たりの絶妙なバランス。
バタークリームにイタリアンメレンゲを含ませ、チェリーの酸味も相まってあっさりとした仕上がり。かわいらしいサブレの形は、店前に立つシンボルツリーである榎の葉にちなんだもの。やや大きめですが、低温で焼き上げてさくっとした食感にすることで軽やかさを感じられます。
作り方もサイズに至っても、20年以上変わらない発売当時のまま。その伝統を守り続けていることが、多くの人を惹きつけているのでしょう。
近年バタークリームをたっぷりとサンドしたクッキーの専門店ができるなど、バタークリームサンドをよく見かけるようになりましたが、えの木ていの「チェリーサンド」は先駆けのような存在。また、レーズンを挟んだものがポピュラーですが、チェリーは珍しく“唯一無二のバタークリームサンド”とも言えるでしょう。
洗練されたクラシカルなデザインが贅沢感をアップ
異国情緒あふれる山手のイメージを、そのままパッケージに表現。中央には、えの木ていの建物が描かれています。クラシカルなデザインで上品なので、パステルピンクも甘く感じさせません。個包装にはレースのデザインがあしらわれており、細部に至るまでこだわりが散りばめられています。
横浜の歴史と文化が息づいた銘菓は誰からも喜ばれる贈り物に
要冷蔵で賞味期間は7日間ではありますが、横浜を代表する銘菓として不動のポジションをキープする「チェリーサンド」。多くの人に喜んでもらえる銘菓は、自分のご褒美やちょっとした贈り物としてはもちろん、日頃お世話になっている目上の方へ敬意をきちんと伝えたいときにもおすすめです。