古染花唐草シリーズ|心和庵
「とにかく好きなんです。『どんな器に合わせよう』『どんなお料理が合うのかしら』と思いを馳せてしまう器たちです。
私は比較的落ち着いた色合いの器が多いので、大きな鉢やリム皿は大人数で食卓を囲む大皿料理の際に華やかに演出してくれる気がします。古染花唐草は、和食だけでなく洋食中華にも合い、磁器だけでなく陶器にも合わせやすいと思います」
三島皿|井上茂
「丈夫で盛り付けると何でもサマになる、表情豊かな渋くてカッコ良い器。一点一点の個性が豊かなので、展示会で時間をかけて選ぶのも楽しみのひとつです。
井上さんの器は、朝・昼・夜、必ず3回食卓に登場します。炒め物をこんもり盛り付けたり、フライパンをひっくり返してそのまま餃子をドンと乗せたり、湯飲みや蕎麦猪口は小鉢にしたり……。大皿は平らな部分が広いので、磁器やガラスの小さな器を合わせてワンプレートにするのにも使いやすい形で重宝しています」
染付けの器|沼田智也
「沼田智也さんの染付けの器は、古典柄だったり、ユーモアのあるおばけ、UFO、ネッシー、おかめ、人魚や蛸など……。食卓に集まった人たちをクスッと笑わせたり話題を提供してくれます。真面目な染付けも柔らかく優しいものが多いので、他の器とも合わせやすく、器あわせの時間も楽しくしてくれます」
運命の器と出逢う場所
ーーいつも器を購入するお店を教えてください。
うつわshizen
「暖簾をくぐってお店を覗いた時に、店主のやよいさんの姿を見つけると嬉しくなるお店です。
気になる作家さんの展示会はもちろんのこと、一階の常設が特に好きで、棚の一番下の段までくまなくチェックする時は、掘り出し物を見つけるようなワクワク感があります」
UTSUWAGALLERY千鳥
「作家さんの展示会だけでなく、時間ができたときには訪れるお店です。常設の器が豊富で、お料理を想像しやすいものばかり揃っているので、行く度に新しい発見があります。
アンティークや骨董の什器を眺めるだけでもあっという間に時間が過ぎてしまうお店では、店主の柳田さんが器について教えてくださるのもとても楽しい時間です」
「器えらび」をもっと楽しく
ーーこれから器を買われる方、器をどう選んでいいかわからない方にアドバイスをお願いします。
「アドバイスと言えるようなものは自信がありません。ですが、上記の器選びのポイントと器をつかった時の気持ちを見ていただければわかるように、その器を手にした時に好きだと感じた上で実用性についてチェックし、買ってみたけれど毎日の食卓には合わない、収納しづらくて使う頻度が減ってしまった等の残念な思いは避けるように心がけています。
定番の形に、アクセントとして変化のある形のものを足す際には、小ぶりのものが使いやすいと思います。また、家庭では高さがありすぎると他の器と合わせづらいので、酒器や小鉢や、高坏は何段階か高さを決めて購入しています」