旭川市民がこよなく愛する鶏の丸焼きならぬ新子(しんこ)焼き!見た目のボリューム感のなかに、香ばしさとジューシーさ、さっぱり感の3拍子を一度に味わえるのも魅力のひとつ。今回は、地元ならではの名店と札幌で味わえるお店合わせて5店をご紹介します。
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旭川のソウルフード「新子(しんこ)焼き」とは?
「新子(しんこ)焼きって何?」と思いますよね。実は、北海道民でも知らない人が多い旭川のソウルフード的な若鶏の半身焼きのことで、お店に行ったら必ず注文するという市民も多い定番メニューです。
注文すると「30〜40分かかりますけど大丈夫ですか?」と聞かれます。理由はひとつ!半身丸ごと焼き上げるのに時間がかかる。普段食べ慣れた焼き鳥とサイズを比較してみると……
奥で焼かれている焼き鳥とのサイズの違いが歴然ですね。皮の香ばしさと若鶏ならでは身のやわらかさ。食べる部位によってジューシーさとさっぱり感が一度に味わえます。
名前のルーツは?「新子焼き」の由来
名前のルーツは、一般的に、出世魚のコノシロが、シンコ(新子)→コハダ(小鰭)→コノシロ(子代)に呼び名を変えるのと同様の意味で若鶏を新子にたとえ、焼いたものを新子焼きと呼ぶようになったとされています。
ちなみに耳にすることも多い山賊焼きは、一般的に親鶏を焼いたものを言います。
「新子焼き」の歴史
戦後の食料不足の中で旭川でたんぱく源として最大限に栄養を摂る方法として作られたのが新子焼きと言われています。
とは言っても、当時は高価な食材で頻繁に食べられるものではなく、市民のごちそうであり、これを食べて元気をもらい復興へと力強く歩き続けたと言われています。
2012年に旭川市内で新子焼きを提供している飲食店などで「旭川名物 新子焼きの会」が結成されたことで、少しずつ全国的にも知れ渡るようになりました。
本場北海道で食べるならここ!札幌・旭川の名店5選
1. 【札幌】店名そのものがこだわりの証「新子焼 鳥ます」
札幌の繁華街すすきの駅から徒歩2分。大きな観覧車裏手の通りにある白い提灯が目印です。札幌のなかでも50年の老舗で、まずは食べてほしいひと品として入り口に新子焼きのメニューが掲載されています。
カウンターとテーブル席の奥に小上がりもある店内は、仕事帰りの人でいつも賑わっています。新子焼きのほかに、早い時間には希少な部位の焼き鳥もあるので早めの時間がおすすめです。