無料の会員登録をすると
お気に入りができます

人が集まる家にしたいテラスまで一続きの大空間自然に家族がつながる家

「いつも家族を感じられる家」をテーマに、2階は扉のないワンルームに。パーテーションや天井高で変化をもたらした居心地のよい空間となった。

広告代理店勤務のご主人とレコード会社勤務の奥さま。共働きのご夫妻は、最初のお子さんが誕生してまもなく、奥さまの実家の近くに家を持つことを考えた。「2人とも働いているので、子どもが突然熱を出したときなど、頼れる人が近くにいたほうが心強いと思って」(奥さま)。
土地を探すこと2年。ようやく出会った土地が、奥さまの実家からなんと徒歩1分。近くには昔ながらの商店街や大きな公園もあり、子育て環境にもベストな場所だった。
土地を購入後、「自分たちでゼロから造れるチャンス」と、家づくりの研究を始めたご夫妻。雑誌で見つけたある住宅に一目惚れし、その住宅を手掛けた直井建築設計事務所に設計を依頼した。「実際にその家にうかがって、ご主人にこだわりなどを聞かせてもらいました。洗練された雰囲気や内と外がつながる感じなどいろいろ参考にさせてもらいましたね」(ご主人)。また、お2人の好きな雰囲気の写真をPinterestやインスタグラムからピックアップし、言葉で表現しづらいイメージを写真で建築家へ伝えていったという。

picture

床のタイルや黒いフレームがスタイリッシュな印象。一目惚れした住宅からヒントを得たもの。

picture

東京・世田谷の閑静な住宅街に建つ。モダンで落ち着いた佇まいが地域に馴染んでいる。

picture

奥さまの希望で玄関前にベンチを設置。お嬢さんが靴を履くとき、置き配のときなどに重宝。

picture

ウォールナット材の床が気持ちいい玄関ホール。写真は、現在4歳になるお嬢さんが生まれて100日目(右)と初めて立ったとき。

picture

玄関脇のシューズクローゼット。上部も収納スペースになっていて、2階のパントリーからも収納可能。

picture

1階の寝室。たっぷり収納できるクローゼットを併設。M邸のエアコンはすべて隠して設置(上部)。

Mさん夫妻がこだわったのは、2階はドアのないワンルームにすること。リビングもダイニングもキッチンも、そして書斎も一続きにした。「寝るとき以外はリビングで過ごすというのが、家族の在り方だと思っています。僕もそうでしたから。勉強もリビングでしていましたね」とご主人。奥さまも、「どこにいても家族が感じられるようにしたかったんです」という。
インテリアのアクセントであり、クールでモダンな雰囲気を盛り上げているのが、黒い木枠のパーテーション。「どうしても子どものものはゴチャゴチャしがちなので、部屋を分けて、隠したかったんです」(奥さま)。物が置かれて雑多になりがちな下部は隠すことができ、上部は空いていて空間のつながりを感じられるパーテーションは理想的な形であった。
現在は、仕事を持ち帰ったご主人の書斎として使われることが多いデスクスペース。「仕切りがあることで落ち着いて仕事に集中できる」という。ゆくゆくは子どもたちの勉強スペースとしても活躍しそうだ。また、お子さんが大きくなったときには、現在のおもちゃスペースには本棚やソファを置くことを構想中。子どもの成長に合わせて変化する余白スペースとなっている。

picture

パーテーションの奥が書斎スペース。程よく目隠しができ、LDKはいつもすっきりした印象に。

picture

書斎は、ゆくゆくは子どもたちの勉強スペースに。パーテーションにより集中力もアップ!

picture

書斎の奥には、お嬢さんのおもちゃスペースが。「私たちが近くにいるため、安心して遊んでいます」。

「ここは3階建てにすることも可能でしたが、天井はマックス高くしたいとリクエストしました」(ご主人)。テラスに続く開口は高さ3.5m。カーテンを取り付けず、グリーンを上手に目隠しとして使い、大きな窓から降り注ぐあたたかな自然光を楽しんでいる。
床は無機質な雰囲気にするためにタイルをセレクト。外でも使用できるタイルをチョイスし、LDKからテラスへと同一のものを敷き詰め、統一感を意識した。
建築基準法の高さ制限で、低くするしかなかったというキッチンや書斎部分の天井は、リビングよりもやや低めに設定。異なる高さによる空間の変化がさらなる居心地の良さをもたらしている。

picture

テラスまでフラットにつながり開放的。『IKEA』で購入したという一点もののペルシャ絨毯は奥さまの希望。

picture

テラスからリビングを見る。手前のアカプルコチェアはご主人のお気に入り。「夜、ワイン片手にここで過ごす時間が至福のときです」。

「家族と会話をしながら、また子どもの様子を見ながら料理や作業ができるようにしたかった」と対面式のキッチンを希望した奥さま。「片付けが苦手」とのことで、収納は多めにリクエストし、手元は見えないように立ち上がりを高く設定してもらった。ダイニング側からはシンクや作業台が見えないため、たとえ散らかっていても安心である。
キッチン前のダイニングスペースは、『マルニ木工』であらかじめ購入していたダイニングテーブルのサイズに合わせて設計。「ミーハーなので(笑)、『スターバックス』や『アップル』が『マルニ木工』の椅子を使用しているという記事を読んで、この2社が認めているなら間違いない(笑)と欲しくなったんです。椅子に合わせてテーブルも衝動買いしちゃいました」(ご主人)。

picture

『マルニ木工』で購入した椅子とダイニングテーブル。テーブルのサイズに合わせて、このダイニングスペースは設計された。

picture

シンプルで厨房感のある『サンワカンパニー』のステンレスキッチン。「好みに合わせてカスタマイズできたのがよかった」とのこと。

オリジナルサイトで読む
記事に関するお問い合わせ