次のデートに誘われなかった、フェードアウトされた……。そんな女性たちの「デートの失敗談」をラブホの上野さんが分析する連載です。このデートのどこがダメだったのかを、紳士的かつ論理的に解説します。
ラブホの上野さん
今回の失敗デート
マッチングアプリで出会った男性と2回目のデート。話題の映画を観に行ったものの、世間的にも賛否両論の映画だったらしく、映画後の感想が見事に「感動した」or「つまらなかった」で対立。そのあと飲みに行く予定でしたが、あまりにも空気が悪くなってしまったためか「ごめん、急に仕事が入って……」と言われて解散。私は映画を観たあと、どんな対応をすればよかったのでしょうか。というか、そもそも映画を観に行ってはいけなかったのでしょうか?
今回のダメポイント:映画館デートに行ったこと
ご質問誠に有難うございます。
デートスポットの定番である映画館で御座いますが、私は映画館デートをオススメいたしません。
なぜならば映画デートは、デートでもっとも重要な「コミュニケーション」が2時間近く封印されてしまうからです。
映画を観ている間、2人の視線と関心はスクリーンに向かってしまい、お互いのコミュニケーションは一切生まれません。
フェスやライブであれば「一緒に盛り上がる」というコミュニケーションも生まれますが、映画の場合はそれすらないのです。
映画を観ている間に2人で手遊びでもしていれば多少のコミュニケーションは生まれるかもしれませんが、そんなことをするのであればわざわざ映画館に行く必要もないでしょう。
「一緒に映画を観れば、映画を観たあとにその感想を話題に会話が盛り上がる」とおっしゃる方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそも映画を観ないと会話が盛り上がらないような相手とデートをするべきではありません。
また、よほどの映画マニアでもなければ、2時間の映画の感想なんて10分程度で終わってしまうことでしょう。その10分のために2時間も使うのは、いくらなんでも非効率的であると言わざるをえません。
それでも映画を観たいとおっしゃるのであれば、映画館ではなく自宅でDVDを借りてきて観たほうがよいでしょう。
経済的にもこちらのほうが効率的ですし、何よりも自宅であれば映画を観ながら相手と会話をすることも可能です。これならば映画を観ている間にもコミュニケーションを取ることが可能でしょう。
もちろん映画デートには「誘いやすい」とか「デートとしては比較的安上がり」というようなメリットもあるので一概にすべてを否定するつもりは御座いませんが、このようにデメリットが多いのもまたまちがいありません。
お互いに「どうしても観たい」と思っている映画が重なっている場合などを除けば、デメリットのほうが多いデートでしょう。
意見が食いちがったときに楽しめない人は危険
映画デートにデメリットが多いのはまちがいありませんが、今回の男性の場合、映画デートでなかったとしてもデートが失敗した可能性は極めて高いでしょう。
ここでご質問者さまにおうかがいしたいことが御座います。
今回、映画を観た感想が分かれたということですが、映画に対して「つまらなかった」と言ったのはどちらでしょうか?
ご質問文の書き方からして、おそらくは彼が「つまらなかった」と言ったのでしょう。
そして空気が険悪になったということは、おそらく彼が「○○がつまらなかった」「あれをおもしろいと思うのはおかしい」的なことを主張されたことと思います。
基本的に「楽しい側」の人間が空気を悪くすることは御座いません。ですので、空気が悪くなったのであれば「つまらない側」が面倒な主張を押し通したのです。
もちろん映画をつまらないと感じたこと自体は特に問題は御座いません。
感性は人それぞれですし、今回の映画が本当につまらない映画であった可能性もあるでしょう。ですので「つまらない」と感じたこと自体にはなんの問題もないのです。
しかしデートで一緒に観た映画を「つまらなかった」と酷評する姿勢は、かなり大人気ないと言わざるをえません。
お互いに「つまらない」と感じたのであれば「○○がつまらなかった」という議論で盛り上がればいいのですが、相手が「感動した」と言っているのであれば適当に聞き流していればいいのです。
わざわざ楽しんでいる相手に対して「つまらなかった」なんて言って、水を差す必要はないでしょう。
仮に百歩譲って「つまらない」と口にしてしまったとしても、相手が「感動した」と言っているのであれば、会話のテーマを変えるなどさまざまな対処法があったはずです。
そうにもかかわらず「感動した、つまらなかった」と自分の主張を押し通すような議論をしてしまうのは、あまり褒められたものでは御座いません。