鍵のシリアル番号とメーカー名で合鍵が作るのが可能。作る業者側も本人確認などはしないのだろうか。
(Nalin Prutimongkol/iStock/Getty Images Plus/画像はイメージです)
SNSに写真を投稿する際、「鍵」に注意を払ったことがあるだろうか。万が一、投稿した写真に鍵のシリアル番号が写っていると、その番号とメーカー名だけで合鍵が作れてしまうのだ。
元の鍵がなくても合鍵が作れてしまう――写真を投稿した人はもとより作っている業者も本人確認などができないのか。そこで、しらべぇ編集部は日本ロックセキュリティ協同組合などを取材。業者側の対策について聞いた。
■事件に発展したケースも
鍵の複製で重要になるのが、鍵の番号とメーカー名だ。これを知ってさえいれば、業者に持ち込んで合鍵を作るのが可能となる。元の鍵がなくても、複製を作れてしまう事実。
13日15時現在は元の投稿がなくなってしまったが、この件について触れたツイートが一時ツイッターで話題になった。SNSと入手方法は違うが鍵の番号とメーカー名を巡って事件に発展したケースも。16年9月に愛媛・松山市で、40代の男が女子大生宅に合鍵を使って侵入。
当時の報道によると、男はマンション管理会社社員を装って女子大生宅を訪問した。鍵を提示させてメモした番号とメーカー名を使い、ネット業者で注文していたという。
この件で男は住居侵入や窃盗などの罪で男に懲役2年6か月(保護観察付きの執行猶予4年)の判決が下された。かなりリスクの高い情報の聞き出し方であるが、SNSであればリスクは低くなる。そのためストーカーや泥棒などさまざまな犯罪に巻き込まれる危険が潜んでいると言える。
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■組合に聞くと…
元の鍵がないにも関わらず、鍵を作ってしまうのは危険があるようにも思えないだろうか。しらべぇ編集部は13日、国内唯一の錠取扱業者のため全国組織「日本ロックセキュリティ協同組合」の担当者に電話取材を行った。
先のような犯罪がある以上、注文時に確認はしないのか。すると、「本人の確証を得る手段がない」とのこと。業者からしても合鍵を作るために個人情報を伝えられたしても、取り扱いに困ってしまう。そうなれば本人と確かめる手段がない。
鍵の番号とメーカー名がしっかりしている以上は業者も「本人である」と判別して注文を受けることが多いそうだ。また、「本人かどうか疑ったらキリがない。商売ができなくなってしまう」という。
■ワンランク上のセキュリティーを
担当者はこんなことも話していた。「鍵の番号とは別にIDが付与される場合もある」どういうことなのか。話を聞くとメーカーによっては鍵番号とは別の番号を発行し、2つの番号が揃わないと合鍵を作れなくしている場合があるという。
そこで、錠前と鍵を製造販売している美和ロックを取材した。シリアル番号とは別の番号について聞くと、「セキュリティーカードのことではないか」との話があった。
こちらは入居時などに渡されるもので、鍵番号とは別の番号が振られている。このカードが発行されている場合、鍵番号とメーカー名がわかっていても、セキュリティーカードの番号がわかっていないと合鍵が作れない。
つまり、仮に鍵番号とメーカー名が知られても勝手に複製ができないのだ。
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■自分で防ぐのが一番…
セキュリティーカードが導入されていない部屋などで新たに使いたい場合はシリンダーごと交換する必要がある。費用もそれなりに掛かるだろう。
日本ロックセキュリティ協同組合の担当者は「SNSも含めて番号を知られない」のが一番と話していた。万全を期すためにセキュリティーカード付きの鍵を導入するのも一考だが、コストなどを考えると自分で情報を出さないのが一番と言えるだろう。
おっちょこちょいで間違えてしまうかもしれないと心配な人は新居を考える際にセキュリティーカードがついてる鍵が採用されているチェックしてみるのも良いだろう。
■家の鍵を失くした経験者は…
しらべぇ編集部では、全国の20~60代の男女1,336名を対象に調査を実施したところ、全体の24.9%が「家の鍵を失くしたことがある」と回答している。
そもそも鍵を失くしてしまう人が4人に1人程度の割合で存在している。紛失だけでなく、番号にも気をつけてもらいたいところだ。