ねじれた位置関係にある階段が空間の回遊性を高めている。
2階ダイニング側から見る。奥が次男のスペース。階段が造形的にも見ごたえのあるデザイン。
半地下にある田中さんのスペース。机の天板が地面レベルにある。
奥が玄関。1階は「お風呂とトイレと玄関とワードローブの動線がなるべく近くなるように」とリクエストした。
ワードローブの奥には主寝室がある。
体育館の床のようなビニールを貼った。水洗は子どもたちのサッカー靴も洗える深さのあるものに。
この家に越してきてから2カ月経つ田中一家。4月には家の向かいに立つサクラが咲き、素晴らしい風景が窓に広がるだろう。
それも楽しみにしているという田中さん。サクラの季節には特等席になるであろう2階道路側の階段についてこんなことを話してくれた。「この階段が思っていた以上にいろいろ使える階段だというのがわかってきました。前に進むごとに外の風景が変わるということもそうですが、家族との会話も階段のどこにいるかで変化するので、その都度自分に心地のいい距離感を選ぶことができるのがいいですね」。家族との距離感が大きなテーマだった田中邸。この階段もそれにうまく応えているように思われた。
窓が通常よりも低く、地面が近く感じられる。上るにつれ地面から離れていくように感じられる階段は花見の特等席となる。
電動で開け閉めできるブラインド。
マミさんの実家が建築の板金業を営んでいたことからトタン張りを選択したという。「増築の結果こうなった」ような、あるいは「ブリコラージュでつくられた」ような面白い印象を与える外観だ。
田中邸
設計 アキチアーキテクツ
所在地 東京都世田谷区
構造 木造
規模 地上3階
延床面積 89.23㎡