日本全国のおいしいお取り寄せパンの中から、いまおすすめのパンをご紹介するこの連載。第15回目は銀座木村屋總本店より「酒種あんぱん 桜・うぐいす 10入」をお取り寄せしました。
日本全国のおいしいお取り寄せパンの中から、いまおすすめのパンをご紹介するこの連載。第15回目は銀座木村屋總本店より「酒種あんぱん 桜・うぐいす 10入」をお取り寄せしました。
創業151年、味と伝統が守り続けられた老舗
銀座木村屋總本店は明治2年に創業された歴史あるお店です。中でもあんぱんのイメージが強いですね。当時のパンはじゃが芋と小麦粉をホップの煮汁で混ぜ合わせ、空気中の酵母菌を培養したイーストで作っていたそうですが、当時の日本人の嗜好にはなかなか合わず、日本の食生活に浸透とはならなかったそうです。
そこで、日本人の嗜好に合った日本独特のパンをと、苦心研究の末考案されたのが、米と糀(こうじ)で培養する酒種酵母菌による「酒種あんぱん」なのです。独特の酒種の風味に、吟味された餡を使用して今も変わらない「酒種あんぱん」が完成されたのは、なんと明治7年(1874年)とのことです。
そのころから変わらないものを作り続けていて、さらにずっと日本人に親しみ続けられているのは凄いことですね。守り続けようとする人の努力の賜物だと感じました。
酒種あんぱんの歴史が綴られた包み紙
私はラッピングと紙袋付きで注文したのですが、必要な方はのしに名入れもしてくれます。包みを開けると綺麗に梱包されていました。少しレトロ感のあるこの紙袋、かわいいです。
ラッピングを開けると、創業からの時代を感じるかのような包みが巻いてあります。
写真だと少し分かりにくいのですが、実際も薄い茶色で描かれていて、強く主張しすぎていない所が上品だなと感じました。
裏には冒頭で説明したような、酒種あんぱんの歴史が綴られています。プレゼントとしてお渡しした時もこういった説明があるのは、受け取った側も楽しめるポイントのひとつになるのではないでしょうか。
さらに開けると、白く洗練されたBOXに5個ずつ梱包された、桜とうぐいすの酒種あんぱんが入っていました。
具材とパンのバランスが計算され尽したベストな美味しさ
写真右が桜、左がうぐいすの酒種あんぱんです。桜は中央に窪みがありますね。うぐいすは切れ目から綺麗なうぐいす色の餡がたっぷりと見えています。
まず桜から頂きました。
窪みがあった中央には八重桜の塩漬けが添えられています。うぐいすは切れ目から鮮やかなうぐいす色の餡が見えていますが、あんぱんの形にはそれぞれ意味があってこの形になったのだなと、しみじみ思いました。
餡はこし餡が使われていて、この甘さと塩漬けの桜のしょっぱさが絶妙に合います! 上品な甘さの餡は桜とパンの塩気で緩和されてベストです。
温めると、餡はさらにほくほくになります。甘さも強くなり、桜の塩漬けの塩味はややうすくなった印象でした。温める前よりも和菓子のようなおいしさになり、5個入りでも飽きずに食べられて楽しいと思いました。
そして、うぐいすの酒種あんぱんです。
餡がしっかりと包みこまれています。青えんどう豆を使ったつぶ餡なのですが、香りがよく、食べてみると餡が甘すぎないので、このたっぷりとした餡の量が調度良かったです。えんどう豆の味も感じられ、桜と比べると甘さは控えめでパンの塩気ともよく合います。
少し温めると、より豆の味がはっきりします。餡がほくほくになり甘さも増しました。とっても美味しいです!
「酒種あんぱん 桜・うぐいす 10入」は、お花見の席にもぴったりだと思いました。目でも楽しめ、多くの世代で楽しめる逸品です。
「あんぱんの日」制定のきっかけになったあんぱん
この桜のあんぱん、明治8年4月4日に明治天皇に献上されたそうです。当時あんぱんのへそには、奈良の吉野山から取り寄せた八重桜の花びらの塩漬けが埋め込まれました。季節感をたっぷり演出して焼き上げられた桜のあんぱんは、天皇、皇后両陛下のお気に召され、引き続き納めるようにとのお言葉を頂いたそうです。