仕事においても大事とされる「コミュニケーション能力」。この本当の意味を理解していますか? 外資系OLコラムニストのぱぴこさんに、コミュニケーション能力とは何か、高い人と低い人の違いとは、高める方法などについて教えてもらいました。
「コミュニケーション能力」。
採用や昇進要件においても、この能力が「必要な要件」として記載されていることは少なくありません。
しかし、世の中に「コミュニケーション能力」という言葉が飛び交っているわりに、コミュニケーション能力の定義とは何なのか? という点は置き去りにされています。
飲み会でウェイできる能力? 初対面の人とすぐ仲良くなる能力? 人とうまくやる能力? うまくやるって具体的に何?
……と、疑問が湧きます。
意味や定義は? コミュニケーション能力とは
そんな「曖昧語」ともいえるコミュニケーション能力ですが、子どもたちのコミュニケーション能力の育成・検討を行う、文部科学省の『コミュニケーション教育推進会 議審議経過報告有識者会議(平成23年8月29日)』 では次のように定義されています。
いろいろな価値観や背景をもつ人々による集団において、相互関係を深め、共感しながら、人間関係やチームワークを形成し、正解のない課題や経験したことのない問題について、対話をして情報を共有し、自ら深く考え、相互に考えを伝え、深め合いつつ、合意形成・課題解決する能力
(参照:https://www.geidankyo.or.jp/12kaden/sites/default/files/pdf_com20110829.pdf)
長い。
14文字の「コミュニケーション能力とは?」という問いに答えるのに、129文字要しています。
要はダイバーシティーの考えに即し、他者と情報共有して課題を解決するための対話能力といえそうですが、「コミュニケーション能力」には実に多様な能力が含まれていることが分かります。
仕事におけるコミュニケーション能力の重要性
仕事においてもコミュニケーション能力が重視されていることはよく知られています。
コミュニケーション能力は面接や自己PRでアピールできる?
1997年度から日本経済団体連合会が実施している、『新卒採用に関するアンケート調査結果』2018年度版を確認すると『選考にあたって特に重視した点』の項目でコミュニケーション能力は16年連続で1位となっています。
これは新卒に求める能力ですが、中途転職者においても「コミュニケーション能力」は求人要件に必ずといっていいほど記載があり、アピールポイントになることは間違いありません。
ただし、前述の定義にあるように「その能力で何を解決し、どのように成果を出したのか」を具体的に語らなくてはなりません。
コミュニケーション能力が必要な仕事は多い?
仕事に求められるコミュニケーション能力には、大きく3つの種類があります。
コミュニケーション能力というと「会話」を基礎として考えてしまいますが、会話能力に留まりません。
1.読む能力:メールや書類に書いてある内容を正しく理解する
2.書く能力:自分の言いたいことやメッセージを表現する
3.会話能力:自分の言いたいことを適切に伝え、相手の言っていることを理解する
3つの要素がさらにブレイクダウンされて「プレゼンテーション能力」や「ファシリテーション能力」、社内外への情報共有やリレーション構築といった「広報力」などさまざまな能力が紐づきます。
また、正確な内容を伝え、理解するための「専門性」も、コミュニケーション能力を構築する一部と考えることもできます。
つまり、大胆にいえば「コミュニケーション能力が必要ない仕事」は存在しません。