今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
神話のかけらと無用物
今週のてんびん座は、「役に立たないと思われているものが、実際は大きな役割を果たしていることに思い至っていくような星回り」。
中国古典『荘子』のあるエピソードでは、「役に立つかどうかを確かめ、有用性を求めるのは確かに一つの知性のあり方だが、一方で人々はみな有用なものが役に立つことはわかっていても、無用なものが役に立つことを知らない」と語られています。
「有用性」とか「役に立つ」か否かに基づく知というものが、どうしても偏ったものになってしまいがちで、時代や社会や文脈に応じて変化していくものだということに警鐘を鳴らしているわけです。
今週のあなたもまた、短期的な視点や目先の利益を追うだけの価値観からできるだけ距離を取っていくことがテーマとなってくるはず。
今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
気持ちが流れるままに
今週のさそり座は、「あさっての方角にある未来に引っ張られていくような星回り」。
物理的にであれ精神的なものであれ、遠くへ行くことができるのは、それ自体ひとつの才能なのだといえます。
そして水のサインであるさそり座の場合、その成否を分けるのは、どれくらい思い切ってこれまで貯め込んてきた感情の堰を切ってしまえるか、否かです。
言い換えれば、そうやって感情に流され、イメージが飛躍していくのも一つの爆発力の発揮であり、そうである以上はそれを利用していけばいいということ。
今週は、自分が我慢してきたことや、表に表すことができずにきたことを思い切って解き放っていくのにも、ちょうどいいタイミングと言えるかも知れません。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
もっとうろうろしていこう
今週のいて座は、「現実を右クリックするための回路を開いていくような星回り」。
スマートフォンの登場によって失われてしまった機能のひとつに、マウスの右クリックが挙げられるのではないでしょうか。
「検索」でとりあえず意味を調べたり、「ソースを表示」でその裏側や台本を盗み見、「ファイルを保存」で少しだけイケナイ気持ちになったり。さまざまなコマンドを開ける右クリックは、その操作だけでどこか気持ちが昂ぶったものですし、言い方を変えれば、そこにはどこか効率や最適化とは別の“情緒”がありました。
今週のあなたもまた、いつのまにか自分が切り捨ててしまった失われたコマンドを改めて呼び出し、かつてあった情緒を温めていくことがテーマとなってくるはずです。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
世界観をズラす
今週のやぎ座は、「今までになかった発想に開かれていくような星回り」。
自分がはまり込んでいた常識や経験知、時代性の限界をひょいと一つ乗り越えていけるかどうかが問われていきます。
あるいは、しばらくの間あなたの中で停止していたものが、今にわかに動き出し、開花しつつあるでしょう。それにあたって、あなたは物の見方や世界観を再起動させていくのに最適なやり方や、きっかけを見つけていこうとしているのだともいえます。
たとえまったく同じ行為をしたとしても、場が変わればまったくの別物になってしまうように、今週のやぎ座は、自分の周囲に広がっているどんな場所、どんな視野から力を借りていくかによって、これからどんな自分になっていくのかを占おうとしているのかもしれません。