今週のてんびん座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
養生=芸術
今週のてんびん座は、「苦しむことを拡げていくような星回り」。
「整体」の産みの親である野口晴哉は、語録集『偶感集』に収録された「雨」という断章の中で「人間の生きているのは苦しむ為だ。その苦しむことが楽しくなる迄、生きていることを養生という」と述べています。
人間は自分の心身が苦しいことだけが苦しいのではなく、他人や世界の一切の動きにも苦しむ。その苦しみに徹し、苦しむことが楽しくなるまで、苦しむことを拡げていくとのこと。
今週のあなたもまた、何に力を入れ、どこから力を抜いたらいいのか、軌道修正をかけていくことがテーマとなっていきそうです。
今週のさそり座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
光を放つ先にあるもの
今週のさそり座は、「理性を失う快感か、明かりを消す情緒かを選んでいくような星回り」。
「夜光虫岩を蝕むごとく燃ゆ」(大野林火)という句では、夜光虫が岩を蝕んで燃えているように見える様子が詠まれています。これは実際に見えないはずのものを幻視しているのであり、そうすると「岩」とは何を表しているのでしょうか。
それは象徴的に捉えれば「命に終わりをもたらすもの」であり、「精神を窒息させるもの」。つまり、苦しみの元であり、それを浸食していくかのごとく、夜光虫はみずからの命を燃え上がらせていっているのです。
今週のあなたもまた、人生を再起動させていくにあたり、自己のうちでせめぎ合うもののどちらに身を任せていくべきか、選んでいくことになるでしょう。
今週のいて座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
成熟のきっかけ
今週のいて座は、「床板を踏み抜いていくような星回り」。
職人やアーティストなどは、年を取るごとに技術的にはうまくなっていって安定感は出てきますが、逆に当初持っていた荒削りの魅力は失われていくという人がほとんどなのではないかと思います。
これはいかに表現者として成熟していくということが難しくて、ある程度のところで小さくまとまってしまうかという話でもあり、思想家の吉本隆明はそうした大部分の人について、「床板の上で仕事をするようになる」と評していました。
今週のあなたもまた、「一から出直す」という機会を自分で創っていけるかどうか、という局面を何かと迎えていきやすいでしょう。年甲斐など忘れて、ただやんちゃな子どものように振る舞ってください。
今週のやぎ座の運勢
illustration by ニシイズミユカ
自負を描く
今週のやぎ座は、「いかんともしがたい現実に、強烈な自負をぶつけていくような星回り」。
例えるなら、「汗臭き鈍(のろ)の男の群に伍す」(竹下しづの女)という句。これは図書館での仕事をまるで畑での野良仕事のように表現し、同僚らを汗の匂いがきつい鈍重な家畜の群れのごとく描写しています。
そこには自分は女一人であっても、彼らには負けていないのだという強烈な自負が感じられます。
「これでこそ私なのだ」という1つのスタイルを、外部に刻印していくことがテーマとなっていきそう。よくよくこれまでの自分がどんな人生の「アウトライン」を作ってきたのか、そして、そこからどんな物語を紡ぎえるのか、じっくり考えてみるといいでしょう。